常連だったお客様が最近来店されない。なんだか予約に空き時間が増えた。
などなど・・・トリミングサロンにおいては誰もが経験したことがある「客離れ」を今回はお客様目線で考えてみましょう。
トリミングサロンの人気というのは、お客様同士の口コミや散歩中の立ち話でも大きく影響されます。
りん
目次
お客様の本音「トリミングサロンは変えたくない!」
実は、多くのお客様はトリミングサロンや動物病院を変えたくないと考えています。
顔なじみのトリマーさんにお願いしたい、愛犬が慣れている場所でトリミングや医療を受けたいと感じ、子犬の頃に初めて利用したトリミングサロンに10年以上通い続けているという方や、子犬の時にワクチンを打ってもらった動物病院へ10年以上通い、高齢になってからもすべての治療や介護でお世話になっている方も珍しくありません。
りん
原因の中にはトリマー個人やトリミングサロン単独では解決できない問題もありますが、トリマーで解決できる問題やこれまで気が付かないうちに生まれていた問題は今後しっかり改善していかなくてはなりません。
お客様がトリミングサロンを変えるきっかけは?
トリマーの皆さんは笑顔を絶やさず、基本的に丁寧な言葉遣いで接客応対をしていますよね。ですので【不愛想な態度や失礼な言動】が「客離れ」の原因になっているなんて思いもよらないでしょう。
しかし、お客様の中には下記のような理由でトリミングサロンを変えようと決意する方も少なくありません。
- 店が繁盛したことでトリマーが素っ気なくなった
- 担当者が受付時に挨拶してこなくなった
- カットが雑になった
- カットにかかる時間が長くなった
- 予約がなかなか希望通りにとれない
特に新規開店のトリミングサロンでは、開店当初に来店されていた方の大半が一年後には上記の理由で疎遠になっているなんてことも。
お客様はトリマーやトリミングサロンに対して、単なる技術提供だけを期待しているわけではなく、トリマーとのたわいない会話も楽しみにしています。
だからこそ、トリミングサロンの忙しさを理解はしているものの、あまりに素っ気ない挨拶をされたり、受付時に担当者が挨拶をせずに新人や見習いスタッフが代わりに受付応対をするなどということが続くと、別のトリミングサロン利用へと気持ちが傾いてしまうこともあるのです。
希望通りに予約が取れない?代替案を必ず提案しましょう
トリミングサロンにとって一か月に一度、定期的に来店してくださるお客様の存在はとても大切です。
定期的に通ってくださることで、犬もトリミングに慣れるのと同時に前回のカットラインもまだ残っているためカットもスムーズに進みますよね。
しかし、お客様の予約希望をトリミングサロン側の混雑が理由で断らないといけない状況は頻繁に発生します。
このような状況下においては下記を例に、何らかの方法でお客様の希望を満たすことができないか考えてみましょう。
- 希望日に一番近い日程でトリミングできる日を提案する
- 平日の来店は可能かを聞く
- 飼い主様の来店時に次回日程を提案し、お迎え時に改めて日程を相談する
お客様からの日程の申し出をストレートに断る、希望の日程では予約が取れないことをただ伝えるだけでは、当然お客様はもっと予約の取りやすいトリミングサロンの利用を考え始めるでしょう。
りん
スタッフが入れ替わりする際は十分な引継ぎを!
お客様はどのようにしてトリミングサロンを選ぶのでしょうか?
- トリマーの人柄
- 立地(駐車場がある・ショッピングモールの中にある・動物病院に併設など)
- 料金
- 営業時間
- 送迎の有無
- 設備やサービス内容
上記のようにお客様がトリミングサロンを選ぶ決め手となる要素は実に様々です。必ずしも1つの決め手だけが大きく関係する訳ではありません。
近隣のトリミングサロンに比べて料金が高額なサロンでも、スタッフの印象が良く、仕事が丁寧であればお客様は繰り返し利用してくれるものです。
逆にスタッフの入退社による入れ替わりがあっても、他スタッフの応対やサービスで客離れを防ぐこともできます。
りん
新たなスタッフや体制に期待をして、これまで通りに足を運んでくれるでしょう。しかしこの時、対応に不備があったり、前任者からの引継ぎができていないとお客様は不安や不快感を抱いて別のトリミングサロンへ移ってしまいます。
トリマーの入れ替わりがあるときは下記の点に注意をしておきましょう。
- 常連、指名のお客様のリストを作成する
- それぞれのペットの性格、特徴などを細かくヒアリングする
- カットスタイルは写真で残して「前回と同じ」というオーダーにきちんと対応できるよう準備をしておく
特に長年勤務していたトリマーが退社するとき、トリマーとお客様だけの手順や約束事があることも珍しくありません。
些細なことでも確認を済ませておくとお互いが安心できますね。
アドバイスのつもりが誤解を招くことも!伝え方は先輩を参考に
ペットが好きだからこそ、ペットの専門学校へ通っていたからこそ、動物病院で働いているからこそ、お客様に様々なアドバイスをしてあげたいと考えるのは当然のことです。
とはいえ、たとえ「正論」であってもお客様への伝え方を間違えてしまうと、相手を不快にさせてしまい、客離れに繋がってしまうこともあると意識しておきましょう。
もしも伝え方を間違ってしまった場合、会話の場面やトリミングサロンの店頭で不快な顔をされるお客様はいません。ほとんどの方は笑顔で応対し、お礼を言ってお店から帰られます。でも・・・次回の来店はありません。
このような「言葉」の間違いや「伝え方」の不足で発生する客離れは新卒トリマーにありがちなケースで、先輩トリマーも常にヒヤヒヤする思いで見守っています。
- 無駄吠え
- 噛みつき
- 飛びつき
例えば、上記のような犬の問題行動はしつけのやり直しやドッグトレーナーの指導のもとで即座に改善すべきでしょう。
しかし、お客様に対して「しつけのやり直しをすべきです!」なんてストレートに伝えしてしまうと、当然不快感を与えてしまいます。愛犬の問題行動はお客様自身やそのご家族が十分に認識されているからです。
このようなペットの飼い主様は、これまでにも他の飼い主から指摘を受けたり、マンションの管理会社や近隣住民から指摘を受けたという方もいるはずです。
その上トリミングサロンで正論を突き付けられてしまってはお客様も立場がありません。
お客様にアドバイスをするときは下記の手順を心掛けてみてください。
- 相手の状況をヒアリングする
- 困りごとに共感をする
- 無理のない方法で解決策を一緒に考える
正論でストレートに伝えるより、まずは飼い主様の苦労に共感をしたり、これまでの経過を知ることを心掛けましょう。お客様の想いや苦労を知ることができれば、お伝えできるアドバイスの内容も変わってくるはずです。
りん
接客はなかなか見極めが難しいものですが、先輩トリマーの仕事ぶりを参考に日々経験値を増やして飼い主様から好かれるトリマーを目指してくださいね。