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【用途地域について】トリマーが開業する際に必要な知識

トリマーの皆さんの中にはいずれは自分でサロンを開業したいと思っている方も多いはず。

でも、開業するにあたって社会的に決められているルールがあることをご存知ですか?誰でもどこでもトリミングサロンを開業できる訳ではありません。

今回は開業を検討するトリマーさんが見落としがちな「用途地域」についてご紹介します。

用途地域とは?

用途地域とは、特定のエリアにおいて建築できる建物の種類や用途の制限を定めたルール「都市計画法」の一部です。大まかに「住居系」「商業系」「工業系」に分類され、この用途地域ごとに建築できる建物建築できない建物が明確に定まっています。

なるほど・・・住宅街の真ん中に工場とかあったらうるさそうですし、住みやすいエリア、働きやすいエリアなどでちゃんと分けられているんですね。

新人トリマー

この用途地域、何が問題かというと・・・トリマーの開業に際しても開業できる地域とできない地域が存在するということです。

トリミングサロンを開業できる場所は?(神奈川県 – 2024年版)

POINT
都市計画法ではそれぞれ地域によって住居・商業・工業など市街地の大枠としての土地利用を定めています。

下記の表は神奈川県横浜市が公開している用途地域「畜舎(※1)」に関する事項です。

  1. 第一種低層住居専用地域 → 15㎡以下+付属建築物に限る(※2)
  2. 第二種低層住居専用地域 → 15㎡以下+付属建築物に限る(※2)
  3. 第一種中高層住居専用地域 → 15㎡以下+付属建築物に限る(※2)
  4. 【開業OK】第二種中高層住居専用地域 → 15㎡以下ならOK
  5. 【開業OK】第一種住居地域 → 3000㎡以下ならOK
  6. 【開業OK】第二種住居地域
  7. 【開業OK】準住居地域
  8. 【開業OK】近隣商業地域
  9. 【開業OK】商業地域
  10. 【開業OK】準工業地域
  11. 【開業OK】工業地域
  12. 【開業OK】工業専用地域

※1:※畜舎には、家畜等の飼育施設や搾乳施設等のほか、ペットの飼育・繁殖・収容施設等も含まれます。(例:トリミングサロンやペットサロン、ホテル、ペットショップ、動物病院など)
※2:主たる建築物(例:自宅)に付属している建物(付属建築物)で床面積が15㎡以下

注意
用途地域は都道府県によって制限内容が異なりますので、自分の家の場所はどうだろう?などを実際に知りたい場合は「お住まいの都道府県または市区町村+用途地域」で検索、または都市計画課や建築局などにお問い合わせしてみてください。
試しに自分の家の住所で調べてみたらNGの場所でした・・・でも住む場所ってほとんど住宅街に建っていますよね。。

新人トリマー

りん

そうなんです。いざ自宅開業を決意しても、用途地域NGの場所に自宅があることで開業できないという人が多くいます。

★ 東京都の資料詳細

→ 下記のページ下部に記載の「畜舎」の箇所をご覧ください

参考 用途地域による建築物の用途制限の概要東京都市整備局

★ 神奈川県横浜市の資料詳細

→ 下記4ページの下部に記載されている「畜舎」の箇所をご覧ください

参考 都市計画制限・建築制限について 横浜市建築局

用途地域を調べる方法

実際にお店を出したいと思っている場所がどの用途地域に該当するかは、地域によりますがネットで住所を入力することにより調べることも可能です。

■ 東京都で用途地域を調べたい場合はこちら

参考 東京都・都市計画情報東京都都市整備局

用途地域がNGでも動物取扱業は取得できる?

用途地域と動物取扱業を扱っている管轄は全く別です。そのため、用途地域がNGだった場合でも動物取扱業の申請が通ることは十分あり得ます。

ほとんどの人は動物取扱業を取得すればペットホテルやしつけ教室、トリミングサロンを開業できると考えてはいるものの、用途地域を知っている方は多くありません。

実際、既に開業しているサロンの住所を調べてみると用途地域で開業NGの場所だった・・・なんてことも。

注意
動物取扱業も取得できたし、周りも用途地域NGの場所で開業しているから自分も大丈夫!という考えは禁物です。用途地域の制限は法律で定められているものですので用途地域NGの場所で開業した場合は違法となります。見つかった時に損害を被るのは自分であることを知っておきましょう。

開業したい場所が用途地域NGだった場合の対処法

自宅やその他の場所でペットに係るお店を開業したいと思った時、その場所が用途地域でNGだった場合は場所を移動するほかありません。

せっかく開業を決意したのに用途地域でNGだったら結構ショック・・・でもしょうがないですね💧

新人トリマー

開業できた際は近隣住居・住人にも十分配慮を

用途地域もクリア!動物取扱業も取得!いざ開業!となった時は周りの住居や住人、お店に配慮することを忘れないようにしましょう。

例えば犬の鳴き声や臭いなど。もしも近隣とトラブルが発生した場合は保健所や指導員の立ち入りを経て強制移転の可能性もあります。

りん

地域から好かれるお店、長くお客様に愛され続けるお店を維持するためには周りへの配慮が欠かせません。