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いまさら聞けない!マイクロバブルって何?効果は?注意点は?

今やトリミングサロンや動物病院において、マイクロバブル洗浄は当たり前のサービスとして導入されています。

でも、マイクロバブルって何?専門学校で習わなかったから分からない、使ったことがないという方も多いでしょう。

りん

今回はマイクロバブルの基本的な仕組みと利用にあたっての注意点を紹介させていただきます🎵

マイクロバブルって何?

POINT
マイクロバブルはその名の通り、5~50ミクロンほどの極小の気泡を指します。(※髪の毛の直径が約80ミクロン〜、頭皮の毛穴で約200ミクロン)マイクロバブルで洗浄すると、毛穴や汗腺の汚れを効果的に除去することでができます。また、マイクロバブルは汚れにピタッと【吸着】して水面に浮上する特性も持っています。

実はこのマイクロバブルの技術、人間用エステや美容サービスの分野で導入が進み、その後ペット用へと製品が開発されました。

りん

人間のエステで美肌効果があるとされるピーリングや毛穴洗浄というとイメージが湧きやすいかもしれません。

前述した通り、マイクロバブルは犬の毛穴よりも小さなサイズの水泡を専用機器で大量発生させます。これらの小さな泡は毛穴の奥まで行き届き、汚れや皮脂、被毛表面に付着した汚れを浮かび上がらせて洗い流すことが可能です。

ちなみに「ナノバブル」「ナノ洗浄」も、マイクロバブル同様に毛穴よりも小さな水泡を発生させて洗浄する手法を指しています。

先輩トリマー

マイクロバブルで洗うとどう変わる?メリットは?

実際にマイクロバブルで洗浄するとどんな違いがあるのでしょうか?

  1. 体臭が軽減される
  2. 抜け毛が目立たなくなる
  3. 皮膚のべたつきがなくなる
  4. 耳周りのアブラ汚れが軽減される

などなど、実際にマイクロバブルを体験したお客様から届く声は、愛犬の気になるお悩みが解消されたという内容ばかりです。

シャワーで洗うのと何が違う?
通常、シャワーヘッドから出ている水泡は犬の毛穴よりもサイズが大きく、シャワーの水流はペットの皮膚表面を洗い流すにすぎません。そのため、実は毛穴の奥などに入ってしまった皮脂などの汚れ、シャンプー剤が洗いきれていないこともあります。

しかし、マイクロバブルは毛穴よりも小さな泡なので、毛穴の奥まで水流が行き届き、毛穴の奥につまった汚れや皮脂、残り続けたシャンプーやリンスなどの化学成分を押し出し洗い流すことができます。

シャンプーと違って皮膚を擦ることなく使用できるので皮膚へのダメージを少なく、マイクロバブルの振動がマッサージ効果を与えるのと同時に、温浴によるリラックス効果も得られます🎵

先輩トリマー

マイクロバブルで時短トリミング!

飼い主様だけではなく、マイクロバブルの効果はトリマー目線でも明らかな違いを感じることができます。

毛穴の奥から洗浄できているので、洗いあがりのドライヤーが短時間で済み、被毛の立ち上がり具合が良く、カットもスムーズに進みます。

POINT
耳や足先など汚れが気になる部分には、これまでディープクレンジングシャンプーを使ったり、2度洗いをするのが主流でしたが、そんな手間を掛けなくとも、マイクロバブルならそれだけできれいに洗いあげることが可能です。

また、マイクロバブルは単なる水流・水泡なので、皮膚が敏感で洗浄力の高いシャンプーが使えない、揉み洗いができないペットにも安心して使用できます。

りん

シーズーやコッカーなど、皮脂分泌が盛んで体臭やベタツキが気になるカット犬種には特におすすめの洗浄方法ですね🎵

マイクロバブルはどうしてオプション(追加料金)なの?

ペットにも飼い主様にも、そしてトリマーにも大好評なマイクロバブルですが、多くのトリミングサロンや動物病院がオプション料金または追加料金として設定しています。

理由は下記の通りです。

  1. マイクロバブル発生装置購入に高額な費用がかかっているため
  2. マイクロバブルは通常のシャンプー洗浄に比べて所要時間が長いため
  3. マイクロバブルが必要でない犬猫、使用できないペットもいるため

それぞれの施設ごとにマイクロバブルサービスの提供方法は異なるので、事前に料金設定や所要時間、お客様への説明方法など確認しておきましょう。

要注意!マイクロバブルのデメリットと不向きの犬について

毛穴の奥まで洗浄でき、仕上がりも格段に向上するとなれば、当然すべての犬猫に提供してあげたい、すべてのお客様に利用していただきたいと思いますよね。

しかし、実はマイクロバブルが不向きであったり、使うべきではない犬猫もいます。

深刻な体調不良につながる場合もあるので、この点はしっかりと覚え、トリミング受付時に犬猫の状況をきちんと確認した上で施術しましょう。

マイクロバブルの利用を控えるべきケースは下記の通りです。

  • 高齢のペット
  • 心臓疾患があるペット
  • 高血圧のペット
  • 術後傷口が完治していないペット
  • 皮膚トラブルがある(フケ、乾燥、かゆみ、脱毛など様々)
  • 過度な肥満犬・猫

上記以外にも、体調が悪い・食欲がない・下痢をしているなど、普段と体調が異なる場合も利用を控えましょう。

マイクロバブルは微細な水泡を発生させて毛穴の奥まで洗浄します。このマイクロバブルを発生させる装置は、水泡が被毛を潜り、毛穴の奥まで行き届くほど水圧が強く、微細な泡を大量に発生させます。

この状態は一見快適そうに見えて適度な刺激も気持ち良いだろうと言われておりますが、全身を微細な泡が刺激するので、急激に心拍数が上がることも。

特に、小さなバスタブにお湯をためてマイクロバブルを使う温浴スタイルでは血行が促進され、心拍数も上昇します。

注意
高齢のペットや肥満気味で呼吸が上がりがちなペットにとってマイクロバブルは負担になるうえに、その後のドライヤーで温風が当たることでますます状態が悪化してしまう可能性があります。

また、すでに皮膚トラブルを抱えている場合や皮膚被毛の状態が不安定なペットの場合、マイクロバブルの微細な泡が患部を刺激してしまったり、皮脂を根こそぎ取り去ることで皮膚の乾燥を加速させてしまうことがあります。

りん

マイクロバブルは素晴らしい効果がある一方で、不向きなペットには危険が伴う可能性もあることをしっかりと覚えておきましょう。

皮膚トラブルがある場合は、お客様に獣医師の見解や病名などを確認したうえで施術を判断してください。

皮膚トラブルの中には伝染性のある病気もありますので、他犬猫への伝染予防の意味でも十分な確認が必要です。

マイクロバブル発生装置は2000円~100万円以上まで多種多様

よし!マイクロバブルを導入しよう!新たなオプションメニューを!と考えた時、ネットで検索してみると分かりますが、マイクロバブル発生装置は2000円ほどでも購入でき、シャワーヘッドを交換するだけの手ごろな製品から数10万円〜100万円を超える製品まであったりと種類の多さに驚きます。

それではいったいどのレベルの製品を購入すべきなのでしょうか?

できれば手ごろな価格の製品で済ませたいと考えるのは当然のこと。

マイクロバブルの製品購入時の値段の違いは「発生装置のパワー」の違いと考えましょう。

POINT
マイクロバブルを発生させる仕組みは、水道から流れてくる水流を排出口の手前でいったん圧縮し、その後大変小さな排出穴から勢いよく噴射します。その結果、一般的なシャワーヘッドの水泡に比べて各段に小さな泡を発生させることができます。

ただ、この発生した微細な泡は発生と同時に酸素と結合し、元の大きな泡に戻ってしまいます。

そのため、確実に被毛を潜り抜け、皮膚表面、毛穴にまでマイクロバブルを行き届かせるためには、泡を押し出す強いパワーを持つ装置が必要です。

残念ながら手ごろな製品やシャワーヘッド付け替え型の簡易装置は、シャワーヘッドからマイクロバブルは発生していますが、犬猫の毛穴の奥にまで届いているかは定かではありませんので注意してください。

新規導入や料金の設定はマイクロバブルの質と合うように

マイクロバブルを導入するときは、確実に皮膚被毛、毛穴の奥まで泡が行き届く製品を導入し、仕上がりに見合った料金設定、追加料金設定を検討しましょう。

簡易型製品を用いる場合は、追加料金等を設定せず、すべてのお客様に提供する、基本料金内で納めるほうが無難でしょう。

りん

マイクロバブルは今後あらゆるトリミングサロンにおいて導入が進むことが考えられるので、正しく活用してペットのスキンケアやカットに役立てていきましょう。