トリマーの皆さんの中にはシーズーのカットを担当するとき、つい学生時代に身に着けたカットスタイルのままトリミングを行っている方もいるのではないでしょうか?
実は・・・専門学校の教科書に載っているカットスタイルは数十年前から続く定番のペットカットと呼ばれるスタイルが大半です。ペットカットの場合、まつ毛は顔回りの長さに合わせて短く切りますよね。
しかし、最近ではシーズーのまつ毛を長く伸ばすスタイルのほうが当たり前になりつつあります。
りん
目次
まつ毛カットは受付時に飼い主様と相談を!
シーズーのカットでは、顔回りは丸く短くというオーダーの場合でも、まつ毛だけは長く伸ばしておきたいという飼い主様が増えています。このスタイルはトリマーの立ち場からすると違和感を覚えることも。
新人トリマー
また、受け付けの時点ではまつ毛を伸ばしているのか判断がつかない場合でも、実はこれから伸ばしたいと思っている場合や、今回のトリミング以降は切らずに伸ばしていきたいと考えているお客様もいます。
SNSを中心にシーズーのまつ毛を長く伸ばすスタイルが注目されていることを意識し、これからは受付時に丁寧な確認を怠らないようにしましょう。
りん
「まつ毛伸ばし」が可愛いシーズー以外の犬種は?
これまで長毛犬種のまつ毛は顔回りの被毛と自然に馴染ませて切り揃えることが当たり前とされていました。
しかし、まつ毛は数か月〜数年かけて伸ばすことでこれまでの印象とはまるで違った可愛さと個性的な印象を手に入れることができます。そのため、最近ではシーズー以外にもまつ毛を伸ばす犬達が増えています。
例えば・・・
- コッカー
- シュナウザー
- ヨークシャテリア
- プードル
まつ毛を残す長さはお客様の希望や全体のバランスを見ながら整えていきましょう。
まつ毛の有りと無しバージョンの画像を用意
飼い主様の中には、せっかく長毛犬種を飼っているのに毎回同じカットスタイルを繰り返しているという方も多いことでしょう。
このままでは、飼い主様にとってトリミングが単なる義務になってしまい、費用も高額なトリミングに対してネガティブな印象ばかり抱いてしまうようになってしまうことも。
日々のブラッシング具合や毛玉対策、飼い主様の日常の忙しさ、犬の年齢などの理由からカットスタイルを大きく変えることができない場合でも、まつ毛を伸ばすという簡単な方法をぜひ飼い主様に提案してみましょう。
まつ毛伸ばし・まつ毛残しを提案する際には、まつ毛を伸ばした時と短く切った時のイメージ画像をサロン側で用意しておくと飼い主様もイメージが湧きやすくなります。
りん
もしもまつ毛を短く切ってしまった時はどうする?
流行っているとはいえ、まつ毛を切らずに伸ばすスタイルはまだまだ少数派です。しかし、その分お客様はまつ毛を伸ばすスタイルにとても強いこだわりを持っています。
トリミングの受け付け時に明らかにまつ毛を伸ばしていることが分かる場合は仕上がりスタイルを念入りに確認しましょう。
特に注意すべきは飼い主様の下記の言葉です。
- 少しだけ切ってください
- 毛先の長さだけ揃えてください
- 顔回りとバランスが取れる程度に切ってください
上記のように曖昧な注文には要注意。トリマーと飼い主様で実際に切る長さに誤解が生じたり、解釈に違いがあったりして結果的に切りすぎてしまうことも多々起こります。
飼い主様がイメージする【少し】とは具体的に何cm程度を意味しているのかをきちんと確認しましょう。
もしも飼い主様の希望以上にまつ毛を切ってしまった場合は、受け付け時の確認不足があったことを素直に認めて謝罪をしましょう。でも、言葉の解釈の違いや誤解は接客の場面において当たり前に発生することですので、あまり落ち込んだりしないでくださいね。
りん
まつ毛を間違えて切らないための簡単テクニック
トリミングのカットにおいて、顔回りの仕上げはとても気を張る作業です。そのため、顔回りのカットに集中しすぎて無意識に普段の手順で進めてしまい、まつ毛伸ばしのペットのまつ毛をカットしてしまった❗️なんてことも・・・。
まつ毛を残して欲しい、切らないで欲しいという注文を受けた場合は、うっかりミスを予防するために【まつ毛に紙テープを張っておく方法】がオススメです。
先輩トリマー
りん
スタッフ同士の情報共有も忘れずに
犬のまつ毛は体の被毛と比べると伸びるスピードが遅く、数年かけて伸ばしているという飼い主様も珍しくありません。これまで何年もかけて伸ばしていたまつ毛が一気に短くなってしまうと、飼い主様は愛犬の顔を見る度にがっかりとした気持ちになってしまうでしょう。
このような事態を避けるためにも、ペット個々のまつ毛の仕上げ方法はスタッフ同士で情報共有を徹底しましょう。
トリミング内容をカルテに記入し、次回担当者へ引継ぎをする場合は、赤字や太字、付箋などを活用して見落とすことの無いように工夫をしましょう。
また、飼い主様が来店された際にはまつ毛のことを前回担当者からきちんと引き継いでいることや飼い主様の希望をしっかり把握している旨をトリマーからお伝えしましょう。