最近ではペットショップの店頭やネットショップなどで猫専用シャンプーを見かける機会が増えました。
こんな時、猫も犬も同じシャンプーで良いの?と疑問を感じることはありませんか?
りん
目次
そもそも猫を洗う飼い主さんは多い?少ない?
新人トリマー
実は猫専用お手入れ用品は続々と登場していますが、売り上げ規模はそれほど大きくなっていません。猫をシャンプーする、ブラッシングするという習慣はそこまで広まってはいないのです。
猫専門トリマー
ちなみに、猫のシャンプーやブラッシングを習慣化すると下記のようなメリットがあります。
- 愛猫とのコミュニケーションを図れる
- 新陳代謝が向上して皮膚被毛が良好な状態に保たれる
- 毛玉や毛玉嘔吐を防ぐことができる
- 病気の早期発見につながる
これまで猫は自分でグルーミングできるからシャンプーはいらない!と言われていましたが、猫の飼育数が年々増えていく現代、犬と同様に愛猫をシャンプーさせたい、ブラッシングさせたいと思っている飼い主は多くいます。
りん
犬の皮膚は弱アルカリ性!では猫は?
日本全薬工業(株)の2001年報告によると、動物の皮膚pHは次のようになっています。
- イヌ:pH 7.75(ビーグル、9~11か月齢)
- ネコ:pH 7.07(シャム、9~10か月齢)
- ウシ:pH 6.86(搾乳牛)
- ブタ:pH 7.22(8か月齢)
- 人間:pH 4.5~5.5(弱酸性)
上記を見てわかるように、犬も猫もph値で見ると大きな違いはありません。猫の方が犬よりも若干人間の皮膚に近いことも分かります。
市販されているペット用シャンプーの中でも「低刺激」や「ペットの皮膚へのやさしさ」を謳う製品は弱酸性で作られていることがあります。この点は犬用も猫用も違いはありません。
りん
シャンプーは犬猫共有でも大きな問題はありません
実際のトリミングの場面では、犬は犬専用シャンプーで猫には猫専用シャンプーと分けて使用しなければいけないという明確な理由はありません。
つまり犬猫で共通のシャンプーを使っても問題は無いということです。
猫専門トリマー
犬と猫の皮膚被毛はここが違う!
犬と猫とで共通のシャンプーを使うことに関しては健康上の問題はないと言われています。しかし、トリマーの場合は当然犬と猫の皮膚被毛の違いも気になるところでしょう。
猫と犬の皮膚被毛には下記の違いがあります。
- 猫の方が皮脂の分泌量が多い
- 猫の方が被毛の密集度が高い
- 猫は自分の被毛や体の臭いに敏感
猫に触れるとなんとなくしっとりとした感触がありますよね。その理由は猫の薄いデリケートな皮膚を守るためにたくさんの皮脂を常に分泌し、バリアを張っているからです。
りん
猫はリンスinシャンプーや速乾性タイプがオススメ
SNSではお風呂好きな猫がたくさん紹介されていますが、猫にとってお風呂はやっぱり苦手なものです。これはしつけではなく猫そのものの習性ですので無理強いは禁物です。
飼い主から「愛猫のシャンプーをしたいけど暴れる」「無理やりシャンプーして良いの?」等と聞かれた際には、SNSの情報に左右されず猫そのものの習性を理解するように伝えしましょう。
猫専門トリマー
りん
猫のシャンプーは未経験なトリマーも多い?セミナーや動画で勉強しよう!
実は多くのトリマーが猫のシャンプーは苦手または未経験という悩みを抱えています。専門学校でも犬の実習時間は多くあっても猫の実習はゼロ回ということも珍しくありません。
しかし日本ではここ数年、犬よりも猫の飼育頭数の方が増えています。この傾向はこの先も続くと予想されていますから、プロトリマーとして猫にも注目するべきといえるでしょう。
猫専門トリマー
猫のトリミングを学ぶには下記の方法を検討してみましょう。
- 専門学校へ通う
- メーカーや問屋が主催するセミナーに参加する
- オンライン開催されているセミナーを視聴する
- 保護団体でボランティア活動として猫のお世話やお手入れを担当する
保護団体でも猫のシャンプーやブラッシングにはとても苦労しています
猫のトリミングはプロトリマーでさえも大変で難しいと思う作業です。当然保護団体の方はそれ以上の苦労を感じています。
保護団体にレスキューされる猫の多くは劣悪な環境で暮らしてきたために皮膚や被毛の状態が悪く、全身が毛玉で覆われていることも珍しくありません。新しい家族を探すためには、まずは清潔にすること、体調を整えることが必須条件です。
保護団体の多くはペットを綺麗に可愛くできるトリマーの手が借りられるのであればぜひ貸して欲しい!と思っています。
りん