トリマーの仕事は楽しい!仕事場の雰囲気も良くて最高!
でも・・・突然訪れるクレーマーの登場で一気にモチベーションダウン・・・なんていう経験はありませんか?
トリマーの仕事に就く方の多くは、サービス精神が旺盛で、多少のことなら進んで引き受けますという心構えでしょう。
しかしお客様の理不尽な要望やクレームをすべて受け入れるわけにはいきません。
りん
目次
サービスは「平等に提供」することが大原則
トリマーやトリミングサロン、動物病院に限らず「サービス業」「接客業」を長く続けるために一番大切なことは、サービスを「平等に提供すること」です。
一見、当たり前に思えることですが、実はトリミングサロンのように常連客が多い業種やペットという共通の話題がある場合は、意外に難しいことです。
平等にサービスを提供するということは、常連の方も新規の方も同じように接すること、同じ内容のサービスでなければならないということです。
- トリミングの仕上げにリボンやバンダナをつける
- フードサンプルがあったのでお渡しした
- 小柄な体形で毛量も少ないので、トリミング代金を割り引いた
- 手土産(差し入れ)をいただいたので、トリミング代金を割り引いた
- ペットホテルの常連さんなので、追加料金を免除した
などなど、上記のようなサービスを「常連さんだから」という理由で行ってしまうと、新規の方と平等ではなくなってしまいます。
もちろんトリミングサロン側にも様々な理由があり、日ごろの感謝の気持ちの表れではあるので、なかなか完全に廃止するのも難しい問題でもあります。
りん
お金にまつわるサービスは明確な利用条件を張り出す
「〇月〇日まで割引」「雨の日割引」「お誕生日割引」などお金にまつわるサービスは、何かと理不尽なクレームが起こりがちです。
平等なサービスを心がけるなら、例外は作らず、すべてのお客様にルール通りの対応をすれば良いのですが、中には期限を過ぎてしまったけれども割引をして欲しいと希望される方もいます。
このような時、店頭やカウンターで揉めてしまうと店内の雰囲気が悪くなり、他のお客様の不快感にもつながります。
かといって理不尽な申し出を受け入れてしまうと、次も同じことを言われるのでは?他のお客様にも同じように例外対応をすべき?とトリミングサロン側が終わりのない悪循環に陥ってしまうでしょう。
お金にまつわるサービスはお客様もトリミングサロン側もナーバスになりがちですから、下記の点を意識して店内・店外POPなどを張り出しておきましょう。
- お客様の目に見える場所に置く
- 大きくわかりやすい文字で書く
- 例外対応ができない旨を記載する
ハガキやチラシ、メールで案内を行う場合は、上記の箇所を太字にする、マーカーで色を付けるなど強調することを忘れずに❗️
そして理不尽なクレームを受けた場合は、POPやメールのどの部分に明記してあったかを示し、例外対応ができないことをきちんと伝えましょう。
りん
「善意の不平等」が経営悪化を招くことも
何かと要望が多いから、たびたびクレームになるから、本社や経営者にも伝わる大規模なクレームになるからと、理不尽なクレームに対応したり、特別扱いをすることもあるでしょう。
たった1人のお客様であっても、このようなケースがあることはトリマー全員の仕事へのモチベーションを下げる上に、トリマー同士がお客様の悪評を口にするきっかけにもなります。
度重なる理不尽な要望や無理難題を伴うクレームは、場合によっては今後のご利用をお断わりすることも必要です。
また、トリミングサロンでわがままを聞いてもらえた、うちの犬だけ特別扱いをしてもらったという誤った情報が店舗近隣で流れてしまうと、次第に他のお客様も同じ対応を求めるようになります。
こうなってしまうと次第にトリミングサロン側が決めたサービスはもちろんのこと、料金設定や利用規約まで崩れてしまいかねません。
りん
実際にあった理不尽なクレーム!トリマーも怒り爆発!
ここでは実際にあった理不尽なクレームを挙げてみましょう。
① 徒歩圏内で昼休み対応だからと送迎料金未払い
この時、送迎は片道2kmまで一回1000円の料金設定でした。しかしA様はトリミングサロンの徒歩圏内に住んでいるという理由から、送迎を希望するものの、料金の支払いはできないと言い始めます。
「トリマーの昼休みに迎えにきて!!」とも言われ、トリマーもびっくりです。
送迎に出向くということは、店舗の人員が不足する上にあくまでも仕事として行っているのですから・・・と言ってお迎えの時に送迎代金を請求したところ、大変なお怒りで結局お支払いいただけませんでした。
対応したトリマー
② ご主人の来店でサマーカットをしたら、奥様から大クレームが!
毎月来店される常連のお客様が、とある月は初めて旦那様が愛犬を連れ来店されました。
暑さ対策にとサマーカットの御希望だったので、完成イメージに誤解があってはいけないと思い、仕上がりイメージの画像を見せ、本当にサマーカットでいいのか確認を済ませトリミングをしました。
その後、お迎えに見えたのは奥様でしたが、奥様はサマーカットを希望していなかった!!とのこと。
あまりに変わってしまった姿に怒り爆発で、もちろんトリミング料金もお支払いいただけませんでした。
対応したトリマー
クレーム対応をスムーズにこなすには、経験も必要ですから、過度に落ち込まず今後の勉強になったと受け止めておきましょう。
回答や判断に迷う場合は即答せずにあえて時間を置こう
予想外のクレームに直面してしまった時は、あえて即答をしないということも対処法の1つです。
クレームを申し出ているお客様のテンションは、トリマーを前にマックスまで上がり切っています。この状態でトリマーが正論で反論をしたり、サイン済みの利用規約を提示するとますますお客様のボルテージを上げてしまいます。
クレームが理不尽であればあるほど、あえて「時間を置く」「冷却時間を作る」という方法を取り入れましょう。
まずはお客様の「言いたいこと」をすべて聞き取り、そのうえで「折り返しお電話をします」「上司に報告し、解決法を相談させていただきます」などの言葉でお客様がクールダウンする時間を作ります。
りん