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プードルカットはアレンジ次第でもっと楽しい!

トリマーの得意、不得意の意見が分かれがちな仕事に「プードルのカット」があります。プードル大好き!いろいろなカットアレンジが楽しい!という声もあれば、学生時代からプードルは苦手で・・・という声も少なくありません。最近ではプードル系ミックスも増えて、これまで以上にカットの多様性が増しています。実はプードルのカットはあえてオリジナリティを持たせることで、ぐっと楽しく、かわいくなります!ぜひいろいろなアレンジを楽しんで行きましょう。

テディベアには「いいところ」「困ったところ」が両方ある

プードルの定番カットといえば、テディベアカットでしょう。顔のラインは丸く、足は太く、全体的にふんわりとした仕上がりに・・・でも実際にハサミをもってみるとなかなか思い通りにいかないものです。

お客様が提示されたイメージ画像の通りに仕上がらない・・・と困ってしまうこともあるでしょう。

テディベアカットは、顔周りのバリカンが不要なことから、プードルのオーソドックスなカットよりも簡単?と思われてしまうことも少なくありません。ドッグショーで見かけるようなスタイルの方が難しいのでは?と。

でも決してそうではありません。テディベアカットこそトリマーのセンスと提案力が試される難易度の高い手法です。なぜなら目の前のプードルのボディライン、骨格、体形を一瞬で見極め、ベストなカットラインを見出さなければならないからです。

顔とボディのバランス、そこにつながる足のボリューム感・・・わずか数mmのカットラインのぶれで全体のバランスが崩れかねません。切り直しを続ければ続けるほどバランスは崩れてゆきます。

難しいカットだからこそ、その子にあったベストなカットラインを表現出来た時の喜びは大きいでしょう。これはきっとお客様も同じ想いです!

ただテディベアカットは必ずしも全てのプードルにおすすめできるスタイルではありません。「いいところ」と「困ったところ」の両方を知っておくことで、これからはもっとお客様の生活にあったスタイルを作ってあげましょう。

まず「いいところ」は?

なんといってもかわいいところでしょう!まるでぬいぐるみのようなスタイルは家族はもちろんレジャーやお出かけ先でも注目を浴び、お洒落も楽しめます。

耳の飾り毛を長く伸ばすだけでさらに可愛さ、女子らしさもアップできます!

エクステ、ウイッグ、アパレルグッズで季節感やイベントごとのお洒落れも一緒に盛り上がれるでしょう。

でも「困ったところ」も・・・

実はお客様の中には、テディベアカットにしているものの・・・とお困りの方も少なくありません。でも

「どう改善したらいいのかわからない」

「トリミングのオーダー時にどう説明したらいいのかわからない」

「担当トリマーさんに伝えにくい、遠慮してしまう」という方もいます。

中にはプードルにはテディベアカット以外のスタイルがある事を知らなかったという方もいるほどです。

お客様の中にはテディベアカットは可愛いものの・・・

〇毛玉ができやすい

〇口周りの汚れや悪臭が気になる

〇散歩後の足洗いが大変

〇自宅で気軽にシャンプーが出来ない

〇洋服を着せた後の毛玉が気になる

〇耳周りの臭いが気になる

このような心の声があることをトリマーとしてきちんと認識しておかなければなりません。お客様が口にしていること、オーダー時に言われたことがすべてではありません。

言葉にならない想いや犬の様子からトリマーが「察すること」「提案すること」が何よりの信頼とリピート利用につながります。

カット前に確認すべきポイントは

  • 耳にトラブルを抱えていないか?臭い、汚れ、べたつきはないか?
  • 毛玉は?家族で十分なブラッシングが出来ているか?
  • 足先にトラブルはないか?足舐めや足裏のただれ、炎症は?
  • 肛門周りの汚れは?
  • 口周りの悪臭やフードの食べかすは?
  • 脱毛や炎症など皮膚治療が必要な箇所はないか?
  • 高齢になり長時間のお手入れやシャワーが負担になっていないか?

もし気になるポイントがあるなれば、必ずしもマニュアル通りのテディベアカットに仕上げる必要はありません。トリマーの側からお客様に提案をして、どうすればもっと快適に、ストレスがなく、衛生的な生活を送ることが出来るのか?を一緒に考えてあげましょう。

テディベアカットに「暮らしやすさ」を追加するアレンジ法

定番のテディベアカットにひと手間くわえるだけで、ぐっと毎日の「暮らしやすさ」はアップします。

ぜひお悩みを抱えているお客様に提案をしてみてはいかがでしょうか?ただし定番のスタイルをアレンジする場合はたとえメリットのあることであっても、必ず事前にお客様に丁寧に説明をして、許可を得てからが原則です。

  • 脇の下は1mmバリカンで短く剃っておく
  • おへそ周りは広めにバリカンを入れる
  • 内股の見えない部分もバリカンで剃っておく
  • 口周りのカットはスキバサミで毛量ダウン
  • 耳の飾り毛は毛量少なく、軽く

テディベアカットの一番のお悩み「毛玉」対策には、「見えない部分」の被毛をバリカンで剃ってしまうという手法があります。

脇の下、おへそ周り、内股は外からは目が届きません。骨格のつなぎ目でもあり、日常生活で摩擦が常におき毛玉もできやすい箇所です。でもブラシの先端が行き届きにくい上に、皮膚が薄く犬がブラッシングを嫌がりがちです。

この部分はカットをするうえでもなかなかすっきりと仕上がらない・・・と感じるでしょう。

外からは見えない部分、お手入れが大変な部分の被毛をあえて長く伸ばす必要はないのではないでしょうか?

1mmのバリカンを使い、短く切りそろえてしまうことで憂鬱だったお手入れから解放されます。犬にとってもブラッシングの苦手意識軽減につながります。特に脇の下は洋服を着せるとますます摩擦が起き、細かな毛玉が出来やすでしょう。お洒落を楽しみたい犬種だからこそ、このような提案が喜ばれます。

ただし大変デリケートで皮膚の薄い部分なので、実際にカットする時は犬の様子を都度確認をして、無理をしないこと。可能であれば補綴(ほてい)を別スタッフにい協力してもらい作業をすると安心です。

耳を軽くするだけ「耳トラブル解消」に効果的なアレンジ法

垂れ耳の犬のほとんどが辛い耳の症状を抱えています。

悪臭、かゆみ、汚れ、べたつき…不快感から頻繁に耳を掻いたり、頭を振ったり、地面にこすりつけたり・・・見ている家族も辛い思いを抱えています。

この症状は投薬により治療ももちろんですが、垂れ耳特有の事情で再発を繰り返すことも課題です。

この再発を少しでも防ぐには「耳内部の通気性」を向上させるという手法があります。

とても簡単な方法で耳の飾り毛を短く、少なくカットしてあげればいいのです。

長く伸ばした耳の飾り毛はとても可愛らしく、最近では編み込みやエクステなどのお洒落も話題です。でも耳の飾り毛が長いという事は耳自体に負荷がかかり、犬の歩調や動きに合わせて耳が上下に揺れる機会が減ってしまうという意味でもあります。

耳内部のトラブルの原因となっている雑菌の繁殖を防ぐためには、適度な通気性や湿気の放出が欠かせません。

耳への負荷を減らし、愛犬がただ歩くだけ、走るだけ、頭を撫でた時に自然と耳内部に風が入り込むよう工夫をしてあげましょう。

もちろんチャーポイントである耳の飾り毛を短くすることで、顔の印象やカット後のバランスにも工夫は必要です。このアレンジは治療やトラブルのため・・・と後ろ向きにとらえるのではなく、個性的なアレンジ、オリジナルカットと捉えると印象がだいぶかわり、楽しく提案できるようになります。ぜひお困りのお客様にご提案を。