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洗ったのにフケが出る!原因はトリマーの技術不足?それとも犬の体質?

丁寧にシャンプーをしたはずなのにフケが出てしまう・・さらには飼い主様からも指摘されてしまった。なんて経験をお持ちのトリマーさんも少なくはないはず。

犬のフケは寒い季節になると乾燥などが理由で増加し、特にシニア犬はフケ症状が頻発することも珍しくありません。

りん

今回はトリマーだけではなく、飼い主向けにもフケの理解と正しい対処法について解説させていただきます🎵

フケは汚れではなく体からのSOSサイン!

フケが出ている犬を見ると、不潔にしてるから・・・と思ってしまう方もいるかと思います。ですが、犬のフケは不潔なことや不衛生な生活環境だけが原因になっているわけではありません。

中には毎週お風呂に入れて、毎日ブラッシングをして、定期的にトリミングサロンを利用しているのにも関わらずフケに悩んでいる飼い主はたくさんいます。

犬のフケの原因には下記が挙げられます。

  • 皮膚の乾燥
  • 栄養バランスの乱れ(必須栄養素の摂取不足)
  • 水分量の不足
  • 加齢によるもの
  • 真菌(カビ)によるもの
  • アトピーによるもの
  • アレルギーによるもの
  • シャンプーなどの薬剤が体質に合っていない

上記のように、ただ単に乾燥しているから・不潔だからという理由でフケが出ているのではなく、ツメダニ症や皮膚糸状菌症、脂漏症といった病気によるものの他、フードのアレルギーや内臓機能の不調によるものなど様々な要因が考えられます。

フケが出ていること=愛犬の体に異常が起きている と考えて、まずは獣医さんに相談をするのがベストです。

フケに悩んでいる飼い主様には、トリマー側から動物病院での診察を勧めましょう。

ベテラントリマー

注意
フケの原因にはシャンプー剤が合っていない等も考えられます。フケの出ている子をトリミングする場合はかかりつけの獣医さんにどのシャンプーを使うべきか聞いてから施術を行いましょう。

フケの現れ方で原因究明!

トリミング中にペットのフケに気がついた時、範囲が広くなかったりした場合は見過ごしてしまうこともあるのではないでしょうか?

でも、フケを改善するためにはどんな小さな症状も見逃せません。

体のどこにフケが出ているかでフケの原因を知ることができるかも❗️

ベテラントリマー

例えば全身に広がるフケの場合・・・

  1. 食生活
  2. 生活環境

上記2点を改善すると良くなることがあります。特に全身のフケは加齢によるもの、アレルギーによるものなどが多く、時間を掛けてケアしなければいけません。

全身のフケに悩むペットの場合、獣医への事前確認を前提に、保湿効果やスキンケア効果のあるシャンプーやパック、温浴などを飼い主様に提案してみましょう。

もしも、フケの症状が体全体ではなく尾や耳の先端、体の一部分だけに出ているという場合は・・・

  1. 伝染性皮膚病の初期症状
  2. 湿疹によるもの
  3. 噛み癖や舐め癖によるもの
  4. 腫瘍によるもの

などが考えられます。動物病院での適切な処置やケアを要する場合が多いので、病院に行くべきであることをしっかり飼い主様に伝えましょう。

りん

動物のプロであるトリマーだからこそ、どんなに些細な異変でも飼い主への情報共有とアドバイスを怠らないようにしましょう🎵

寒い季節は乾燥によるフケ症状が出る

寒い季節は愛犬が寒くないようにとエアコンや床暖房、ファンヒーターなど、あらゆる暖房機器が稼働している家庭も多いことでしょう。

しかし、一見快適に見える室内環境は愛犬の体にダメージを与え、皮膚にトラブルを起こしていることがあります。

犬の皮膚は人間の赤ちゃんよりも薄くデリケートです。寒い季節は自然と運動量が減り、新陳代謝が低下し、皮脂の分泌量も減少します。

私達トリマーも寒い季節が近づくと手荒れが気になり始めますよね。これに似ていることが犬にも起きています。

ベテラントリマー

ただでさえ皮脂が不足して乾燥しやすい皮膚は、長時間温めることで過度な乾燥状態に陥り、かゆみやフケ・あかみ・湿疹・ひび割れなどを起こします。

こんな状態の中、飼い主がこまめに愛犬をシャンプーしたり、温泉気分でリラックス・・・と考えて長時間湯舟に愛犬を浸けるなんてことがあれば、皮膚に残った最低限の皮脂さえも失われてしまうでしょう。

りん

上記のような悪循環はフケ症状が改善しないどころか、乾燥によるかゆみでも体を傷つけてしまいます❗️
POINT
本来であれば、寒い季節や乾燥が気になる季節はシャンプーの回数を最低限まで減らすべきです。ブラッシングで汚れやもつれ、臭いを解消できれば2〜3か月に1回のシャンプーでも十分と言えます。特にシニア犬や子犬はシャンプーの頻度をできる限り下げなければいけないことを念頭に置いておきましょう。

季節にあったお手入れ法の提案で永続的な利用を促そう

飼い主にとって、愛犬や愛猫のことをいつでも気軽に相談できるトリマーは心強い存在です。ペットが健康で長生きできるように、プロとしてあらゆるアドバイスができるようになると、お客様は自然とお店に通い続けます。

今回の話で言えば、乾燥が気になる季節はあえてシャンプーをせずに気になる部分のカットだけをする、爪切りだけにする、ブラッシングだけにするなどでも十分衛生的に仕上げることができます。

りん

季節を含め、ペットの状況に応じていつでも適切なアドバイスができることが、飼い主の信頼獲得に繋がることをぜひ意識してみてください🎵

いつの間に栄養失調!?食事の改善を提案しよう

世の中のペットたちは、飼い主が愛犬を大切にし、お金を掛けているからといって必ずしも適切な食生活を送れているとは限りません。

注意
市販のドッグフードの中には犬の必須栄養素である肉や魚が含まれておらず、穀類の根や葉、茎で量増しされている粗悪な製品も存在します。そのため飼い主は犬の食べ物や栄養に関して適切な知識を養い、粗悪品を見極める必要があります。また、手作り食に関しても総合栄養食に比べると栄養が偏る傾向にあるため、独断で与えるのは注意が必要です。

愛犬の好物だからといって粗悪なフードや栄養の偏った手作り食を与え続けていると、次第に内臓はダメージを受け、皮膚や被毛は劣化していきます。

全身にフケがあり、体は細く筋肉が弱弱しいペットの場合は食事の見直しを提案してみましょう。年齢に見合った栄養量を摂取できているか?犬に必要な栄養素が摂取できているか?についても合わせて確認してください。

栄養バランスの乱れによるフケは、若く健康な犬猫にもみられる症状です。改善には数か月以上の長い時間がかかり、食事と併せて適度な運動も必要とします。

ベテラントリマー

ドライフードによる摂取水分量不足もフケの原因に

どんな食べ物でも大抵は水分が含まれていますが、これら食べ物を通じて水分を摂取することは新陳代謝を促進し、体内の老廃物を排出する作用があります。

この摂取水分量が慢性的に不足すると新陳代謝は低下し、便秘になり、皮膚は古い組織が生まれ変われずに劣化し続けます。

POINT
この現象は毎日食べているドライフードが原因で起こることがあります。ドライフードを主食にしている愛犬や愛猫のフケ症状が気になる場合は、フードに水を入れて与えるか、茹野菜をトッピングするなどの方法で摂取水分量を増やすと効果的です。

フケのクレームにはまずは原因究明を!

トリマーさんの中には、トリミングサロンやペットサロンを利用したにも関わらず次の日にはフケが出始めた、フケが洗い切れていない(残っている)というクレームを受けたことがある人もいるのではないでしょうか。

こんな時、トリマー側が安易に謝罪をしてしまうと、飼い主の中ではフケの原因がトリマーの技術不足という結論になってしまいます。場合によっては飼い主同士の口コミでお店の悪評が広まってしまうこともあるでしょう。

りん

ペットのフケには様々な原因が考えられることを懇切丁寧に説明し、プロとして飼い主様に信用される接客を意識して日々の仕事を乗り越えていきましょう🎵