犬のカラーリングは尻尾や足先、耳先等のワンポイントのみならず、広範囲にハイレベルなデザイン模様を描くなど、その手法は多種多様です。
しかし、トリマー同士の中やお客様の間においては、カラーリングには様々な意見が寄せられます。中にはカラーリングを虐待行為と指摘する意見も。
りん
目次
カラーリング剤に対する情報不足が賛否両論の理由に?
犬へのカラーリングで意見が分かれる一番大きな理由はカラーリング剤に対する情報不足です。犬専用カラーリング剤はすでに15年以上も前から国内で発売されていることを皆さんはご存知でしょうか?
発売元メーカーからは詳しい説明書や動画マニュアルなども提供され、トリマーが安心して安全にカラーリング剤を使用できるように工夫がされています。
しかし・・・カラーリング剤はあくまでもトリマーが仕事の一環として使用する製品の為、一般的なペットショップの店頭に並ぶことはほとんどありません。
そのため、飼い主様の多くはそのような犬専用のカラーリング製品があることを知らないのです。
現役トリマー
- 人間用カラーリング剤を使用するのでは?
- 刺激が強く犬にとって有害なのでは?
などなど・・・
数十年前までは「カラーヒヨコ」が縁日で売買されていた
トリミングサロンを利用するお客様の多くは40代以上です。実はこの年代の方にとって動物へのカラーリングは子供の頃のネガティブな思い出と結びつきがちです。
今から数十年前、日本の縁日にはカラーヒヨコと呼ばれる赤や青、ショッキングピンクといった着色料で全身を染められたヒヨコが縁日の屋台で子供向けに販売されていました。
当時はまだ動物愛護法も制定されておらず、このような行為が虐待にあたるという認識も社会全体に根付いていませんでした。
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メニュー化する場合はカラーリング剤についての説明を忘れずに
トリマーであるみなさんが働くお店では、気が付けば何年も同じカットスタイルのまま「前回と同じで」が決まり文句になっているという飼い主様も多いのではないでしょうか?
トリマーに対する安心感や信頼感はあるものの、あまりに代わり映えしないカットが続くと、誰でも時には気分を変えてみたくなるもの。
ですがこのような時に飼い主自身で具体的なカットスタイルを提案することはとても難しいでしょう。
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定期的な利用を促すためにも、トリミングサロン側で様々なオプションメニューを追加することはお客様を飽きさせない営業手法の一つです。
これらメニュー改革の際にカラーリングを追加することは決して悪いことではありませんが、前述した通り、カラーリングは誤解を招きやすいメニューであるからこそ、提案する際は下記の事項を飼い主様に説明できるようにしておきましょう。
- どのようなカラーリング剤を使用するのか?
- 犬への安全性について
- 施術の所要時間について
- 料金について
- カラーリングの効果継続期間について
- カラーリングした被毛が元の毛色に戻る日数について
スタッフ全員が正しい知識や情報を持ち、飼い主様から質問があった際には丁寧に説明できるようにしておくと、相手も安心できます。
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所要時間や毛色の保持期間など丁寧なカウンセリングを
犬にカラーリングをする場合、通常のトリミングと比べて30分〜1時間ほど余分に施術時間が掛かります。
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足先や耳先などの限られた箇所へのカラーリングであれば作業はスムーズに進みますが、下記のように手間暇のかかる作業を行う場合は所要時間も相当なものになるでしょう。
- メッシュ仕上げにする
- デザイン性のある模様を描く
- 複数のカラーリング剤でカラフルに染める
などなど・・・カラーリングを行う時は、所要時間や工程についてしっかり飼い主様に事前説明を行いましょう。
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カラーリングは数日かけて行うこともある?
海外ではハイレベルな技術を要するカラーリングのコンテストが度々開催されています。
特にハロウインやクリスマスなど街中が華やかになる季節は様々なカラーリングを施したワンコの様子がSNSにたくさん登場して注目を集めています。
しかし、これら高度なテクニックを要するカラーリングは決して一度のトリミングで完成させている訳ではありません。数日~数週間と計画を立て、使用するカラー剤や染める部位によって小分けに作業を進めています。
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カラーリングシャンプーで白髪ケア!?シニア向け新サービスもオススメ
最近のカラーリングでは、ピンクや青といった華やかなものばかりではなく、愛犬の気になる白髪を自然な仕上がりにするカラー剤も出ています。
また、通常のシャンプー剤に微量のカラーリング成分を配合し、通常のシャンプーとしても使用でき、被毛を自然な毛色に染め上げてくれるカラーシャンプーも登場しています。
カラーシャンプーはカラーリング剤のようにはっきりと色が着色するほどの強い効果はありませんが、繰り返し使用することで愛犬の気になる白髪を目立ちにくくすることができます。
シニア犬の場合、長時間の施術は心身に大きな負担が掛かります。そのため施術時間も変わらず、かつ愛犬の白髪を自然な毛色に染められるカラーシャンプーは、シニア犬が増えている現代において今後多く求められることでしょう。
りん
トリミングには色々な選択肢があっていい!
カットスタイルに限らず、被毛のケア含む犬へのトリミングメニューはますます多様化が進んでいます。
選択肢が増えれば増えるほど、色々な意見が起こることは当然な流れです。しかし、どのようなサービスがベストなのかは犬それぞれ、さらには飼い主様の要望によって異なります。
大切なことは都合の良い意見だけを収集するのではなく、メリットデメリット両方について十分な情報を集めることです。そして、集めた情報は飼い主様とのカウンセリングで活用しましょう。
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