トリマーが転職を考える理由の1つに【職場の人間関係】があります。
トリミング業界で働くトリマーさんは女性の比率が高く、かつ少人数経営のお店が多いため、人間関係の良好な職場は少ないのでは?と思われがちです。
実際のところトリマーという仕事柄、時間に追われたり、自分のカットに集中するなどして、会話が少ない場面や口調が強くなることは多々あります。ですがそれは一時的な事です。
りん
ではどうしてトリマーの離職率は高いのでしょうか・・・??
目次
次々に退職してしまう同僚・・・その退職の理由は?
仲が良く、仕事の息も合う同僚に恵まれて、このままずっと仕事を続けられる・・・なんて安堵していた矢先、同僚から退職を打ち明けられて凹んでしまったという経験をお持ちのトリマーさんも少なくはないと思います。
特に新卒・新人・見習いと呼ばれる時期から一緒に働いていた同僚が退職するなんて聞いてしまったらすごくショックですよね。
実は・・・トリマー業界は離職率が高く転職活動も盛んです。
転職や退職の理由としては主に下記の事項が挙げられます。
- 個人経営のお店が多く、雇用環境が十分に整っていないから
- 勤務時間が長いから
- 週末や連休の出勤が多いから
- 子育てとの両立が難しいから
- 小規模な環境だからこその閉塞感があるから
- 個人で独立開業をするから
上記にもあるように、必ずしも人間関係や職場への不満ばかりが原因ではなく、より大きな目標に向かうために転職を決意するトリマーさんも大勢います。
新人や新卒者が後輩になってくれたおかげで人材不足も解消され、このタイミングで自分は次のステップへ進もうと考える先輩トリマーが多いこともトリマー業界ならではです。
りん
同僚と一緒に自分も退職!なんて考えてはいませんか?
同僚が辞めてしまうと、仕事へのモチベーションが下がり、不安も大きくなるうえに同僚が担当していた仕事を一手に引き受けることになり、膨大な仕事量や残業に対して不満が募ることもあると思います。
かといって少人数の職場環境ほど、なかなか早々の解決は期待できません。
でも・・・自分自身の将来像や目標が曖昧なまま、安易な気持ちや勢いで退職を考えてしまうのはNG!後々大きな後悔に繋がる可能性が大きいでしょう。
「私も同僚みたいに退職しようかな」なんて思った時は、まずは冷静になって下記のことを考えてみましょう。
- このまま勤務を続けることでのデメリットはあるのか?
- 退職することで得られるメリットは明確なのか?
退職したいと思った時は、まず初めに上記2点をリストアップしてみてください。
もしもメリットの方がたくさん思い浮かぶなら、その時は転職を決断しても問題は無いと言えるでしょう。
現役トリマー
このまま同じ職場で働き続けることでのデメリットに関しては主に下記が挙げられるのではないでしょうか?
- 同僚から引き継いだ仕事で忙しい、残業するのが嫌
- 気軽に話せる同僚が居なくて退屈
- 給与が安い
- カットをさせてもらえない
しかし、これらすべてのデメリットを上回るほどのメリットが新しい勤務先で確約されているか?というとそうとも言い切れません。
カット技術が未熟で、一人では仕上げまでできないトリマーであれば新しい職場でも担当する仕事内容に大きな違いはないでしょう。そのうえ、先輩に気を使い、お客様は初対面の方ばかりで犬の扱いや名前を覚えるだけでも精一杯です。さらには転職先の人間関係が良好という保証もありません。
他にも、トリマーの給与は技術レベルに比例しますので、技術レベルが同等であれば給与額にも大きな差は生まれません。
- 一人で仕上げまでできる
- 店長やマネージャー職を務めることができる
- 指名制のトリミングサロンで指名をたくさん獲得できる
- ナイフを使用したトリミングができる
転職することで給与待遇を5万円〜10万円と大幅にアップさせるためには、上記のようにそれなりの技術を習得していることが前提となるでしょう。
もしも退職を控えた同僚から、勤務先や仕事へのネガティブな言葉を多く発せられる場合は、自分自身もこのまま仕事を続けて良いのか?と悩むこともあると思います。
ですがトリマーの仕事はトリミングテーブルの前で犬と自分の一対一で取り組む仕事です。周囲の声を気にするよりも、まずは自分自身の将来を落ち着いて考えてみてください。
りん
給与待遇の法的基準を満たしていない場合は決断も必要
残念ながらトリミング業界はまだまだ小規模個人経営のお店が多く、中には仕事という感覚が薄く愛犬家の趣味感覚で経営をされている方もいます。
そのようなお店ではトリマーの雇用や給与待遇が曖昧になりがちで、
- 残業代未払い
- 最低賃金を下回る給与額
- 各種保険未加入
- 給与の支払い遅延
- 違法な罰金制度
- 給与の一部を現物支給
などの問題が起こることがあります。必ずしも経営者が悪意を持っているわけではなく、一昔前の労使関係や師弟関係が色濃かった数十年前のトリミング業界の常識をそのまま用いている場合が多いです。
残念ながら求人情報やお店のホームページの情報だけではこのような内部事情を事前に知ることはできません。
もしこのような職場に自分自身が勤務している場合、職場の雇用条件や経営者の考え方を根本からリセットすることは不可能ですから、自分自身が新しいトリミングサロンへ転職することを決断しましょう。
「好きなこと」を仕事にできる人は10%未満?
実はトリマーに限らず社会人全体で見た場合、自分の好きなことを仕事にしている、仕事にすることができたという人は10%未満と言われています。
- 仕事は生活や収入のためにやっている
- 好きな仕事では食べていけないと思っている
- 好きな仕事では一人前になれなかったor自分の限界を感じた
- 好きなことは趣味として楽しむことにした
などなど、上記のように残り90%もの人々は「仕事」と「好きなこと」を分けて生活しています。
トリマーの仕事は決して楽ではありませんし、かといってお給料が高い訳でもありませんよね。ですが全国のトリマーさんは、トリミングはもちろんのこと、犬や猫が大好きだからこそトリマーという仕事を続けています。
現役トリマー
りん