カットに時間がかかりすぎる、もっと手早くカットを仕上げたい!と悩んでいるトリマーは多いはず。
そしてその悩みはあなただけではなく、ベテラントリマーも口に出さないだけで心の中では同じ悩みを抱えています。
最近ではシニア犬の来店が増え、ますますトリミング作業の時短が求められていますよね。
りん
目次
POINT1:目の前に仕上がりイメージの写真を張り出す
- カットに時間がかかる
- 終わりが中々見えない
- なんども切り直しをしてしまう
などなど、カットの作業時間が長い方には、それぞれ個々の理由があることでしょう。時には、トリマー自身に原因がある訳ではなく、犬に原因があることも。
ですが・・・どんな理由があっても、お客様はできる限り短時間作業を望んでおり、犬にとっても疲労やストレスを回避するために、短い時間でカットを終わらせる工夫をしなくてはいけません。
カット時間を短縮させるために一番確実で簡単な方法は、カット中にトリミングテーブルなど常に目につく場所に仕上がりイメージの写真を張り出すことです。
- スマホに写真を表示して置く
- タブレットに写真を表示して置く
- お客様が持参した写真を置く
- 前回の利用歴が分かるカルテを置く
- 手書きのイラストやデッサンを置く
- 自分で集めたカットスタイルの写真集を置く(定番のスタイルから人気のスタイルまでを集めたファイルを作る)
など自分自身が完成スタイルをリアルにイメージできれば、なんでもOKです。
ここでポイントになるのは「常に目に付く場所」に張り出すということです。
りん
トリミング中に、ふと目線をあげたときや態勢を変えたり、立ち位置を変えるときに常に目に入ることに置くのが成功の秘訣です。
この方法でなぜ効果が期待できるのか?
それは完成形をリアルにイメージすることで、どこまで切ればいいのかを都度確認できるからです。
集中してカットに取り組んでいると、つい犬全体のスタイルではなく足やお腹、顔といったパーツごとに目が留まってしまい、細かなことが気になってしまいます。
気になる部分の切り直しを繰り返すからこそ、時間がかかってしまうのです。
つまり、目の前にある完成形のイメージと都度照らし合わせながら作業を進めれば、自分が切り直しをすべきかどうかを判断できます。
トリミング作業の手際がいい、作業時間が短い、指名が多いトリマーは経験を積んだことで頭の中に完成形イメージが出来上がっていて、都度確認をしながら作業を進めています。
新人・新卒など、まだまだスキルアップをしたいという方は、まず目の前に完成イメージの写真を張り出してください。気が付けば以前の自分と比べて各段に時間が短くなっているはずです。
写真を置いたり、張り出すことが恥ずかしい、周囲の目が気になるという方もいるでしょう。
でも、技術を向上させること、トリマーとして作業時間を短縮することは何より自分のためです。
恥ずかしいという思いが自分の成長を妨げてしまわないよう、時には周囲に声をかけ、自分がどんな目標で行動を起こしているのか堂々と説明できるようになることも、成長するのに必要なことです。
POINT2:最新機器を積極的に導入する
プライベートではスマホが当たり前、音楽はCDを買わずにサブスクで、テレビよりもYouTube!など最新の手法を取り入れている人は多いはず。
にも関わらず毎日の仕事では数十年前の手法をそのまま真似ていませんか?
トリマーの場合、体はもちろんのこと精神的にも緊張感あふれる作業をしています。長時間の作業を毎日続けるのは想像以上に辛く、疲労もたまりがちです。
今の時代、トリマーの誰もが当たり前のように3時間かけていたプードルのカットを半分の時間で終える方法が存在します。
いつまでも一昔前の手法にこだわらずに、積極的に最新機器や手法を取り入れていきましょう。
具体的には下記のような方法です。
- ホースドライヤーを使う
- アタッチメントの種類が多いバリカンを使う
- 泡切れがよく速乾性のあるシャンプーを使う
- 吸収力5倍のバスタオルを使う
- 猫専用ボックスドライヤーを使う
これまで、すべての作業において犬や猫に付きっきり、立ちっぱなし、手を動かしっぱなしでトリミングを行っていたものの、上記のように道具を活用すれば、時短はもちろんのこと作業の合間に都度トリマーが一息つける時間を作ることができます。
道具を使うと仕上がりの質が下がると感じるトリマーもいるでしょう。ですが道具をいかに使いこなすかもトリマーの腕次第です。
技術があるからこそ道具を使いこなし、これまでと変わらないかそれ以上の仕上がりを引き出すことができます。
りん
POINT3:アタッチメントの種類豊富なバリカンを積極活用
プードルのカットは3時間以内、シーズーなら2時間。
一人前と呼ばれるトリマーの作業時間には標準値があります。でも、この3時間常に手を動かし続け、立ちっぱなしで作業するのですから、たとえベテラントリマーであっても簡単なことではありません。
そのうえ相手がシニア犬だったら犬にかかる負担や疲労感は想像以上です。ペットのことを考えた時、本当に全身ハサミ仕上げというのは必要でしょうか?
もし10歳のプードルのカットで3時間という時間をかけた場合、人間の年齢に換算すると70歳の方を3時間同じ姿勢で立たせ続けることになります。この状況がいかに危険ですぐにでも改善が必要だと気が付くはずです。
犬がまだ若く、健康な場合やドッグショーを目指す場合、特別なしつけが必要な場合は、トリミング作業中に姿勢を保つことも必要になることがあります。
ですがこの手法は決してすべての犬に通用するものではありません。
- 子犬
- シニア犬
- 肥満の犬
- 股関節や膝蓋骨に問題を抱えている犬
- 心臓に持病がある犬
- 排尿トラブルを抱えている犬
- 過度に緊張や興奮をしてしまう犬
上記のような犬にとって、長時間のカットは大変負担が大きく、体調を急激に悪化させる危険もあります。
専門学校で学んだ通りにカットはハサミで仕上げる、カット後の手触りが柔らかく飼い主さんが喜んでくれるから、繊細な技術を提供できるからとハサミにこだわる。
などなど・・・理由は多々ありますが、場合によってはハサミよりもアタッチメント交換をしながらバリカンを使うことで、これまでの半分程度の時間で仕上げることができるということを考えてみましょう。
りん