最近では、トリマーの仕事環境や待遇改善の一環として「指名制」を導入するトリミングサロンが増えています。
しかし、トリマーの指名制はトリマーからも経営者からも様々な意見が出ています。
必ずしも全てのトリマーが指名制に前向きではありませんが、勤務先のトリミングサロンで指名制が導入されている場合、指名の件数を気にせず働くこともできないでしょう。
りん
目次
なかなか指名がもらえない理由は何?
トリミングサロンの指名制導入が増加する中で「なかなか指名がもらえない」「指名件数が少ない」場合、何かとストレスやプレッシャーを抱えていませんか?
職場の人間関係は良好なものの、指名件数が少ないことをプレッシャーに感じて転職や離職を考えている方もいるでしょう。
とはいっても、職場や同僚、上司に相談をしても即座に解決することもできず、結局は自分自身だけで思い悩んでしまっていませんか?
指名につながらない理由は下記の理由が挙げられます。
- 技術力不足
- 作業に時間が掛かっている
- 特出した技術を持っていない
- 接客が素っ気ない
- 店舗のスタッフになって日が浅い
上記のように、新人トリマーや転職後間もない場合であれば、指名につながらないことも仕方がありません。
でも半年〜1年と勤務を続けているものの、指名につながらない場合は上記に思い当たる点がないか考えてみましょう。
中でも注目して欲しいポイントは「接客」です。
自分自身では丁寧な言葉遣い・笑顔・マニュアル通りの手順をきちんと守っていると思っていても、お客様からは「素っ気ない」と感じ取られてしまっていることがあります。
- 当日の体調を確認するやり取り
- カットスタイルのオーダーするやり取り
- お迎え時間に関するやり取り
トリミングサロンに来店されるお客様は、上記のようなやり取りだけを求めている訳ではありません。トリマーとのたわいのない日常会話もとても楽しみにされています。
例えば・・・
- 近所で開催されるイベントの話題
- テレビの話題
- 天気の話題
- ペットがつけている首輪や洋服などについての話題
など、トリミングと直接関係のない話題を気軽に交わすことができるからこそ、自宅でシャンプーやお手入れをせずにわざわざトリミングサロンへ足を運んでいるということもあります。
りん
話題が見つからない、会話が続かない場合はどうする?
何度も担当している、または何度も顔を合わせているお客様が相手でも、なかなか会話が続かない、どんな話題を出したら良いか分からないという場合は、下記のような話題を提供してみましょう。
などなど、話題を続けられない時は「質問」を投げかけてみましょう。
これらの「質問」がきっかけとなり、お客様から「話題」が提供され、会話がスムーズに続きやすくなります。
たとえお客様から新たな話題が挙がってこなかったとしても、トリマーからペットやお客様を気遣う言葉が出ることはとても好意的な印象を与えます。
この方法なら簡単にすぐにでも取り入れることのできる手法なので、ぜひ接客に役立ててみてくださいね🎵
飼い主様の来店動機は「指名」だけじゃないことを知って!
飼い主様はトリミングサロンを選ぶ時、下記のように様々なメリットを総合してお店を選んでいます。
- お店の立地
- メニューの料金
- お店の雰囲気
- 営業時間や定休日
上記以外でも、ショッピングセンター内にお店があるからという理由もあれば、トリミング後の預かりが無料で都合の良いタイミングでお迎えに行けるからという理由もあるでしょう。
近隣店舗と比べて各段に料金が安いという場合も大きな来店動機になります。
このように様々な来店動機がある中で、指名を獲得することは例えベテラントリマーでも簡単なことではありません。
特に指名を無料で受け付けているトリミングサロンの場合、お客様自身が指名をさほど意識していないということもあるでしょう。
りん
トリマーからは指名制反対の意見も多い
実はトリマーからだけではなく、経営者の立場からも指名制は反対など消極的な意見が多く上がっています。
指名制反対派トリマー側の意見としては下記が挙げられます。
- トリマー同士で指名獲得に気を使う
- 特定のトリマーに仕事が集中してしまう
- 他トリマーに作業の分担やヘルプ依頼を出しにくい
- 指名件数の大小でトリマー同士の立場が逆転してしまう
など、例えば指名をたくさん獲得する新人トリマーと指名がゼロの店長とでは、仕事の忙しさが異なる上に、店長の発言力も低下してしまいます。
お互いが気まずい雰囲気を感じながら、小人数で働き続けるのは決して働きやすい環境とはいえませんね。
そして指名制反対派の経営者や店長側の意見は下記の通りです。
- 指名件数が多い=店内の立場が強いという認識が広まってしまいがち
- トリマーのシフト調整が難しい
- トリマーが退職した際の指名客への対応が難しい
- 分業ができず、一人一頭制度が定着してしまい作業効率が悪い
指名客と特定のトリマーとの関係性が確立されすぎてしまうと、他トリマーで十分な対応ができず、フォローや仕事の協力体制が築きにくくなるというデメリットが発生しがちです。
なぜ指名制導入のトリミングサロンが増えているの?
トリマーからも経営者からも前向きな意見が上がらない指名制ですが、それならどうして増加傾向にあるのでしょうか?
その背景には・・・
- 指名制の方が売上増につながる
- 指名制の方がお客様の固定化につながる
- 指名制の方が他トリミングサロンとの差別化ができる
など「売上」に繋がるからという理由が圧倒的です。
指名制を設けているお店の中には、指名を無料で受け付けるトリミングサロンもあれば、指名料をお客様から頂くスタイルのトリミングサロンもあります。
その中で、指名料は無料でも指名で引き受けたトリミング業務は売上の一部や件数に応じて「歩合給」としてトリマーの給与に加算される場合もあります。
りん
トリマーの仕事は想像以上にハードワークなうえに、技術に応じた給与体系を確立するのもなかなか難しいものです。必ずしも勤務年数が実力に結び付くものでもありません。
そのような環境の中で「指名」という誰もが納得できる評価制度を導入し、技術や接客レベルに応じた給与・歩合給を支給する方法は、技術職の仕事だからこその文化とも言えます。
指名の件数がプレッシャーになる場合は、応募や面接時に確認を
指名制が仕事のモチベーションアップに繋がるという方もいれば、指名制がプレッシャーやストレスになるという方もいるでしょう。
指名制についてはそれぞれの考え方、働き方があるので必ずしも確立された正解はありません。
今後の就職活動や転職活動では「指名制」の有無を事前に確認しましょう。
りん
この点でお互いの意見が食い違ってしまっては、今後長く働き続けることも難しいでしょうし、何より心が疲れてしまいます。
自分と同じように指名制について考えている、指名制を導入する予定はないというトリミングサロンを見つけ、安心して自分らしく働ける環境を見つけていきましょう。