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【パグ】短毛種のシャンプーで乾かしが重要な理由とトリミングの注意点とは?【ビーグル】

トリミングの予約表に「パグ」や「ビーグル」「フレンチブルドッグ」と短毛種が書き込まれているとなんだか嬉しくなることがありませんか?

やったー楽に終わらせられる!簡単簡単!と感じてウキウキする人もきっと多いはず。

しかし、時にはどうしてこんな短毛種なのにトリミングサロンを利用するの?自宅でも洗えるのでは?と考えることもありますよね。

りん

今回は、そんな短毛種に関するトリマー「あるある」についてご紹介🎵

短毛種のトリミングは2時間掛かることもある!?

新卒・新人トリマーさんの中には、パグやビーグルなら30分もあれば余裕余裕♪と思う方もいますよね。

そして受付時にお客様にお迎え時間をお伝えする際にも、余裕をもったつもりで1時間以内の時刻を案内することもあるでしょう。

しかし❗️これは新人トリマーにありがちな失敗パターンですので要注意です。

注意
実は、パグやビーグルのトリミングは決して楽々で簡単な作業ではありません。これらの犬種は外見のイメージと大きく違って、シャンプーやブローに時間が掛かったりと、何かと時間がかさむのでトリマー泣かせの犬種とも言われています。

りん

お客様も「短毛だから短時間で終わりますよね?」と考えがちなので、受付時のお迎え時刻の説明には注意を払いましょう。

どうして時間がかかるのか?それは「乾かない」からです

パグやビーグルのシャンプーで皮脂の洗い残しがあると、その後のドライヤーにも苦戦することになります。

一見簡単そうに思えるブローですが、実はなかなか「乾かない」ものです。そのうえ短毛種だからこそ、どの部分が生乾きなのか分かりにくいという悪循環に陥ってしまうのも、トリマー「あるある」です。

ポメラニアンのように被毛が長ければ、生乾きの部分を被毛の状態を見ただけで簡単に見つけることができますが、短毛種ではどの部分も全く同じに見えるでしょう。

しかし触れるとなんとなくしっとりしている気がする・・・乾いていない気がする・・・これでは一体いつまでドライヤーを続けるべき?と新人トリマーであれば混乱してしまう事態に。

POINT
パグやビーグルをしっかりと乾かし残しの無い状態に仕上げるには、ベテラントリマーでも1時間以上掛かる事があります。

りん

パグやビーグルは短毛だからといって、簡単に短時間で終わる犬種ではありませんので、お客様にもきちんと説明をし、十分な作業時間を確保しましょう。

シャンプーは「ディープクレンジング」がオススメ

パグやビーグルは皮脂の分泌量が多く、触れるとしっとりとした感触があります。

POINT
しかし、これら皮脂は汚れを吸着しやすく、気が付けば犬特有の体臭を発しています。お客様の中にはこの体臭がどうにも我慢できないという理由から自宅でシャンプーをせずに、あえてトリミングサロンを利用するという方が大半です。

実はこの皮脂がトリマー泣かせの原因でもあります。

パグやビーグルは皮脂のおかげで被毛に艶があり、一見すると汚れているようには見えません。しかし、シャンプーを塗布してみると撥水性のある皮脂がシャンプーを弾いてしまい、なかなかサッパリと洗い上げることができないのです。

注意
シャンプーが十分にできていないままドライヤーに進んでしまうと、お客様からは洗いあがりや体臭に関するクレームが起こることもあるので注意しましょう。

また、垂れた耳周辺は皮脂や汚れ・雑菌がたまりやすいので、しっかりと洗い流すことも忘れずに。

りん

パグやビーグルをシャンプーするときは「ディープクレンジングシャンプー」などの洗浄力の高い製品を用い、体の表面だけでなく皮膚や被毛の根元をしっかりと意識しながら洗い上げてくださいね🎵

耳の裏側やシワなどの細かな部分の生乾きにも要注意を

短毛種のトリミングでは最後の仕上げとして「耳の裏側」「顔のシワ」「足先や足指の隙間」がしっかり乾いているかの確認を忘れないようにし、パグの顔のシワは綿棒で優しく内部の水分を拭き取ってあげましょう。

POINT
シャンプー後の生乾きは雑菌繁殖や体臭の原因になりますので、必ず自分の指で触り、湿り気がないかを確認してください。湿り気を感じる時は、弱風設定のドライヤーでしっかりと乾燥させましょう。

そして、顔回りにドライヤーを当てるときは、顔の正面から温風を当てると、突き出た眼球を刺激して涙やドライアイの原因になる場合があります。

りん

ドライヤーの向きや風量はくれぐれも注意し、都度先輩トリマーに確認をしたり、日ごろから先輩トリマーのドライヤーの扱い方を見ておくと参考になります🎵

実は危険!!短鼻種はドライヤーによる熱中症に注意を

犬の熱中症と聞くと、炎天下の散歩や留守番中の暑い部屋の中をイメージしますよね。

しかし、犬の熱中症はトリミング中にも起きていますので、くれぐれも油断せずに常に意識しながらトリミングを行ってください。

注意
トリミング中の熱中症は、ドライヤーが原因で起こります。シャンプーで体温や呼吸数が上昇している状態で、至近距離から高温の熱風を当て続けるのですから、犬の体温がますます上昇し、熱中症の症状につながります。

パグやフレンチブルドッグのように鼻が短い犬種は、他犬種と比べて体温が上がりやすく熱中症の危険度が高いので、ドライヤーの利用時間や温度設定には注意しましょう。

りん

ドライヤー中は犬の様子や呼吸、表情、舌の位置などに異変が無いかを常に意識し、少しでも異変を感じた時は作業を中断し、適切な対応をとってくださいね🎵

短毛種あるある!トリマー自作のBOXドライヤーは要注意!

お店によっては、予約が立て込んでいて忙しい日には、短毛種のドライヤーにトリマーがつきっきりで作業することは不可能な場合があります。

そのような時、ケージやクレートに犬を入れ、スタンドドライヤーを直接当てて乾燥させるという方法をとっているトリミングサロンも多いのではないでしょうか?

中には入口扉部分をバスタオルで覆い、ケージ内で温風がより効率よく循環するように工夫をしているトリミングサロンやトリマーもいるでしょう。

でも・・・実はこの「独自」の方法は思わぬ事故につながる可能性があるのでくれぐれも油断は禁物です。

注意
ケージやクレートの扉部分、使用されている金属部分はドライヤーの熱風で相当な高温になる事があります。そして、タオルで覆うことで内部の換気や通気が悪くなり、犬の呼吸に負担が掛かるほか、クレート内部の温度は湿気を帯びた犬の存在も相まって急速に上昇していることも。

トリミングサロンだからこその「気づき」が大切

短毛なうえに鼻も短い犬種は、日ごろから様々な皮膚トラブルに悩まされています。

本来であれば自宅でシャンプーをすることが可能な犬種ですが、あえてトリミングサロンを利用してくださるのですから、自宅とは各段に違う仕上がりだと感じてもらえるよう、念入りに、そして丁寧に仕上げましょう。

POINT
また、短毛種は皮膚がデリケートで、皮膚トラブルが多発する傾向にありますので、トリミング中に湿疹や脱毛、皮膚の異変などを見つけた時は、その異変の程度が小さかったとしても、必ずお客様にお伝えすることを忘れずに。

早期に発見するほど、迅速に治療を済ませることができるので、このような「気づき」もトリマーの役目だと考えながら日々お仕事に取り掛かってくださいね🎵