トリマーの就職活動で誰もが必ず目にしたことのある定番のキーワードといえば「一人で仕上げまでできる人」「一人一頭仕上げが可能な人」ではないでしょうか。
でもよく考えたらこの「一人で仕上げまでできる人」ってちょっと曖昧な言葉ですよね。
りん
目次
「一人で仕上げができる」という言葉の意味は?
トリマーの応募資格欄でよく記載されている「一人で仕上げができる人」という言葉の意味は・・・
- 接客ができる
- カットスタイルについてカウンセリング(ヒアリング)ができる
- トイプーなどカット犬種のシャンプーカットがひとりでできる
つまり、先輩トリマーや他トリマーにカットの仕上げチェックを依頼したり、カットを手伝ってもらう必要が無い人=「一人で仕上げまでできる人」ということになります。
もちろんトリミング専門学校でも、2年次には1人で1頭のカットを受け持つことがあるでしょう。先生による手直しもほとんどなく、自分だけでシャンプー、カットを終えられます!という学生も珍しくありません。
しかし、プロトリマーと専門学生とでは【作業に要する時間】に大きな違いが生まれます。
専門学校の授業では、1頭のカットに4~5時間かけることも珍しくありません。シャンプーとカットの間にお昼休みを挟むこともあるでしょう。
しかしプロトリマーの場合、お客様のお預かりからお返しまでを2~3時間で完了させます。
しかもほとんどのサロンではトリミングと並行して電話や来店客の応対、洗濯や清掃など他作業が同時進行で発生します。
りん
どうして一人で仕上げができることが応募条件に?
専門学校生(新卒)の就職活動で一番ハードルが高いのは、新卒または未経験、一人で仕上げができないことを前提に採用してくれるお店を探すことですよね。
気になる求人やお洒落なトリミングサロンの多くは、一人で仕上げができることが応募条件として提示されています。
それではなぜ、多くのお店がこのような条件を提示するのでしょうか?
それは・・・
- 余分な人件費をかけないため
- 1人1人のトリマーの技術を向上させるため
- 売り上げを落とさないため
- 教える時間がないため
などなど、さまざまな理由があります。決して新卒未経験のトリマーを否定しているわけではありません。
自分なりに「できる」と思えたら応募OK?
実務経験がある場合でも、勤務していたお店によって1日に担当する頭数や仕事内容は千差万別ですので、必ずしも経験年数が多い=技術レベルが高いとも言えません。
トリマーが転職や就職活動をするときに一番迷うのは、自分自身の技術力についての評価ではないでしょうか。
- 自分自身は一人でできると思っている
- 専門学校では成績優秀だった
- 自分の愛犬で十分な練習を重ねた
- 自己流ながらも一人で仕上げまでできている
などなど、自己評価についても人それぞれだと思います。
自分では「できる!」と思っていても、いざ就職活動や求人情報への応募となると、途端に自信が無くなってしまう・・・なんて人もいるのではないでしょうか?
もちろん、自分の評価が必ずしもお店側が求めているレベルと合致するとは限りません。
でも、これは応募者だけでなくお店側にとっても同じことです。
⏩ 一人で仕上げまでできる人
⏩ 一人一頭のカットができる人
という見出しで求人を書いてはいるものの、実際には先輩トリマーの指導を受けることができたり、技術レベルに応じてトリミング作業の時間を長く確保できるというお店も存在します。
また、動物病院ではデザイン性の高いトリミングスキルを求めていない場合も多々あります。
採用する側がどのレベルの技術者を希望しているのか?についてはなかなか文章や言葉での説明が難しいため、とりあえず【トリミング業務全般をお任せしても問題がない人】という意味で「一人で仕上げまでできる人」というワードを用いている場合も多々あるのです。
そのため、自分で一通りカットもできるし仕上げまで完了できると思っているのであれば応募しても全く問題ありません。
もしも自分の技術に自信が無いという理由で気になる求人への応募をためらっているのなら、まずは応募先に問い合わせてみましょう。
りん
就職や転職はステップアップのチャンス
自分が一人前のトリマーになれたかどうかを自分自身で判断するのはなかなか難しいものです。
だからこそ、気になる求人を見つけた時は積極的にチャレンジしてみてくださいね。
りん