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トリミングサロンの店舗譲渡の仕組みとお金を徹底解析

独立開業をしたい!でも貯金がない、開業資金を少なく抑えたい、一から始めるのは不安と思っている方も多いはず。

こんな時は「店舗譲渡」という仕組みに目を向けてみましょう。店舗譲渡とはすでに営業実績のある店舗を前経営者から有償で譲りうけ、経営を引き継ぐシステムです。

りん

今回は独立開業の選択肢の1つとして、独立開業の仕組みや契約内容、お金のことを徹底解析します。

店舗譲渡はお得?譲渡に関する条件は様々

店舗譲渡とはすでにトリミングサロンとして運営実績のある店舗を譲りうけるシステムです。

独立開業にあたり一番の難題である「物件探し」「内装工事」「備品購入」という問題がすでにクリアされているので、短期間に自身の店としてオープンさせることが出来ます。

店舗によっては運営年数が長く、固定客がついている場合もあります。この場合、引継ぎ後も既存顧客の来店を見込むことが出来るので、早期に経営を軌道に乗せることが出来るでしょう。

ただ店舗譲渡という仕組みは一律の決まり事がなく、譲渡に関する契約や費用は前経営者と自身との交渉で決まります。

  1. 譲渡に必要な費用
  2. 譲渡の時期
  3. トリミング機材や備品の有無
  4. 顧客リストの譲渡有無
  5. スタッフ雇用の継続有無
  6. 物件契約の継続、再契約にかかる費用

<case1>

前経営者が出産、育児をきっかけにこれまで運営していた個人経営のトリミングサロンの店舗譲渡を計画中

  • すでに300人以上の顧客があり、毎月100万円以上の売り上げをつくることができている。
  • 店舗譲渡後はトリミング仕事から離れるので、機材や備品も合わせて買い取って欲しい
  • 物件契約時に不動産業者へ支払った敷金も譲渡費用と合わせて支払って欲しい
  • 開業時に内装工事にかけた費用は請求しない
  • 看板(屋号)はこれまでのまま使用を続けて欲しい
  • 電話番号はこれまでのまま使用OK、ただし契約者名義、引き落とし口座を変更して欲しい
  • HPはこれまでのまま使用OK,ただしプロバイダーの契約名義、引き落とし口座を変更して欲しい

このような条件の場合、各種契約名義の変更は生じるものの、費用面でお互いの条件があえばスムーズに開業が出来るでしょう。前経営者から顧客を引き継ぐことが出来るので、広告宣伝費用も抑えることが出来ます。

確認すべきことは①具体的な譲渡費用の総合計、②譲渡時期です。

りん

一般的には譲渡費用は契約時に一括での支払いですが、場合によっては分割に応じるケースもあるので相談が必要です。

<case2>

前経営者が店舗拡張のために近隣に移転する予定。既存店舗の譲渡を計画中

  • 開業後8年目を迎え、今後トリマーの人数を増やしより大きな店舗へ移転開業のため譲渡を予定
  • 店舗内装費用100万円を譲渡費用と合わせて支払って欲しい
  • 物件契約時に支払い済みの敷金を譲渡費用と合わせて支払って欲しい
  • トリミング機材、備品は一切含まれない(新店舗へ移設のため)
  • 電話、HP、屋号は全てリニューアルが必要
  • 顧客カルテは移転後の店舗へすべて引き継ぎ、前経営者が管理

このような条件の場合、譲渡にかかる費用をまずは試算してみましょう。物件取得費用を大幅に抑えることができるものの、ドッグバスなど大型機材購入が必要です。

りん

あわせて看板などの設置費用も生じるので、建設会社、看板会社から具体的な見積りを取り寄せましょう。

ただこれまで好調な経営が出来ていたということは立地条件や商圏としての条件は高評価できます。一から顧客を獲得するという不安はありますが、契約条件の折り合いがつけば悪い案件ではないでしょう。

<case3>

開業はしたものの、経営状態が悪く赤字続きになってしまったので閉店し、店舗譲渡を計画中

  • 開業はしたものの利用客が少なく、赤字続き
  • トリミング機材、備品、消耗品も合わせて譲渡したい
  • 店内商品も合わせて買い取って欲しい
  • 屋号、顧客カルテ、電話番号等要望に応じてすべて譲渡可能(費用は応相談)
  • 即時譲渡可能
  • 現在勤務しているトリマーの雇用をこのまま続けて欲しい

りん

このような場合、すでに赤字経営に陥っていることから、譲渡にかかる費用が大変低く設定されています。中には100万円以下というケースもあります。

独立開業を考えているトリマーにとって大変魅力的な案件とも思えるでしょう。しかしこの場合、事前に確認すべき点があります。

  1. 来店客が少ない原因
  2. 赤字になり始めた時期
  3. これまでに取り組んだ赤字打開策
  4. スタッフの雇用条件(給与、シフト、交通費などの費用面)

なぜ前経営者は思うような経営状態にできなかったのか?を客観的に見極めてみましょう。もしカット技術の問題や営業時間、料金設定などが問題であったなら、譲渡後に改善できる可能性もあります。

しかし立地条件やこれまでの悪評が原因であった場合、たとえ看板を付け替えても近隣の方がもつイメージを払拭できない場合もあります。

りん

安易に好条件に飛びついてしまわないように、不安がある場合は同業トリマーに相談することをおすすめします。

店舗譲渡は、大きな費用がかかる契約なのでお互いの取り決め事項はすべて書面で記録を残しましょう。契約に関する内容で不安がある場合は、専門家に相談をし、後のトラブルにならないよう注意が必要です。

賃貸物件解約時は「原状復帰」が必要

店舗譲渡契約を進める中で、見落としがちな点が物件解約時の「原状復帰」にかかる費用です。原状復帰とは物件から退去する際に、「元の状態」に室内を戻さなければならないという契約に基づいています。

例えば内装や造作物の撤去、看板の撤去などが含まれます。トリミングサロンの様に犬猫が使用した物件の場合、特有の臭いや汚れ、抜け毛からこの費用がかさむことも少なくありません。

りん

この費用は敷金から相殺されるものの、不足が生じた場合は契約者に支払い義務が生じます。
POINT
内装がお洒落な物件、手の込んだ工事や装飾が施されている物件を譲り受ける場合は、退去時にどの程度の費用がかかるのかも見込んでおきましょう。

また譲渡後に利用予定のない備品や装飾、看板などは前経営者と相談の上、譲渡前に撤去、片付けをお願いする方法もあります。

あるケースでは、前経営者が物件明け渡し時に不要品や粗大ごみを室内に放置したまま・・・という例もありました。この場合、開業前に片づけた撤去費用がかさみ、気分を害するのも当然です。

トリマー同士だからと取り決め事項を曖昧にせずに、「経営者同士」という目線で譲渡に関する手続きを進めていきましょう。

中古トリミング機材も積極的に活用

トリミングサロンで使用する機材や設備の中には「お客様の目に触れない」ものも多々あります。独立開業は何かと出費がかさむものですから、「お客様の目に触れない」ものは積極的に中古品の活用をおすすめします。

りん

中古品の多くは閉店したトリミングサロンからの買取品です。大抵の場合、使用期間が少なく、まだまだ活用できる状態の機器もたくさんあります。
  • ドッグバス
  • トリミングテーブル
  • ケージ
  • スタンドドライヤー
  • 掃除機
  • 洗濯機
  • 事務機器

中古機材専門の業者に相談をすると意外な掘り出し物に出会うこともできます!開業準備では「新品」「お金をかけたい場所」と「中古」「節約できる場所」を上手に使い分けましょう。

りん

実際の仕入れ、支払いを始める前に「支払い計画」を作成し、自身の予算をどう振り分けるのかを把握することが大切です。

これから経営者になり、独立開業に向けて不安や疑問があるのは当然なことです!SNSやトリマー関連WEBサイトには先輩トリマーが主催する各種セミナーの案内が多数あるので、ぜひ足を運び、トリマー同士の情報交換に参加してみましょう!