365日の中で最大の繁忙期といわれる年末年始が終わり、トリミング業界もやや落ち着きを見せるこの時期。
この時期だからこそ、スタッフ全員でミーティングの機会を作ることが大切です。なぜなら・・・今回の年末年始の反省や成功点をまとめ、次の年末年始に備えて対策を考えておく必要があるためです。
りん
目次
12月中の予約受付には新しくルールを設けよう
年末年始の営業でトリマーが一番頭を悩ませるポイントは、予約の取り方に関することではないでしょうか。
12月は新規のお客様のみならず過去一年以上も利用履歴の無いお客様からの問い合わせも増える時期です。
これまで通りに先着順で予約を受け付けてしまうと、常連のお客様の予約を入れる枠を確保できないということが度々起こります。
しかし、トリミングサロンやペットサロンを長年安定して経営を続けていくためには、新規のお客様の獲得もむやみに断ることはできません。
ではどうすれば良いのか?とあるサロンでは下記のような対応策を講じているところもありますのでぜひ参考にしてみてください。
- 12月中の予約は過去2か月以内の利用履歴のある方に限定する
- 12月中はWEB予約を利用せず、メール・電話・店頭のみの受付に限定する
- 上記2つのルールを9月からお客様に告知を開始する
- 上記2つのルールを10月にお客様に一斉メールで通知する
- ホテル利用に関しても上記2つのルールに該当する方を優先する
どうでしょうか。上記の方法なら常連のお客様の予約を断るような事態を避けられます。その上、新規のお客様にも予約を受け付けられない明確な理由を案内することができるので、気分を害さずに別日程での利用を促すことができるでしょう。
トリミングサロンやペットサロンにとってお客様から予約をいただくことは本当に光栄なことです。だからこそ断る場合も相手の気分を害さずに納得してもらえることが必須条件となります。
「新規だからだめなのかしら・・・うちの子シニア犬だからお断りなのかしら・・・」といった誤解や悪いイメージをお客様が抱かずにいられるよう、上記のように明確なルールを設けるという方法をぜひ参考にしてみてくださいね。
年末年始は一斉来店&一斉お迎えでカットの効率化を図ろう
集中力を要するトリミング業務においては、トリミング中にお客様の電話や来店があるとその都度カットを中断しなければいけません。これでは集中力が途切れ途切れになってしまい、なんだかモヤモヤした気分になりますよね。
そしてモヤモヤするのはトリマーだけではありません。カットを中断するたびに犬自身の集中力が切れることで扱いにくくなったり、カットの手間も増えたりと悪こと尽くしです。
年末年始は限られた時間を少しでも有効活用し、事故や怪我の無いよう細心の注意を払いたい時期ですので、いっそのこといつも取り入れている仕事の手順を思い切って見直してみましょう。
とあるサロンでは下記のようにスケジュールを調整して対応しているお店もあります。
- 来店を朝8時~9時に限定する
- 当日予約分のお客様は全員一斉に来店してもらう
- 9時以降は順次カットを開始する
- カットが終わってもその都度電話連絡はしない
- お迎えは16~17時に限定する
- 爪切りなどの単品メニューの受付を年末年始は行わない
などなど・・・上記の方法であればカットを都度中断する必要がないうえに、お客様の遅刻による時間調整も必要ありません。
さらにはトリミング予定の犬が一斉に集まっているので、作業の隙間時間を有効活用しながらトリミングを進めることができ、トリマーの休憩時間の確保もスムーズです。
りん
ヒアリングシートは事前記入&メール提出にしよう
トリマーにとって接客は大切な仕事の1つです。できればカットやシャンプーの話題以外にもペットの話題やお客様との世間話も楽しみたいところですよね。ですが年末年始はそうもいきません。
特に新規のお客様や子犬、初めてのトリミングやシニア犬などトリマーとして念入りなヒアリングを行いたい場合も多々あります。
多忙を極める年末年始にヒアリングでの聞き忘れや確認不足を防ぐため、ヒアリングシート(利用時に記入いただく書類一式)はすべて事前記入制に変えるという対策をとっているお店もありますので参考にしてみましょう。
具体的な手順は下記の通りです。
- 年末年始の予約をされたお客様には事前にメールで必要事項の記入を依頼する
- 利用規約への同意・お客様情報の記入・ワクチン接種証明書の提示をすべて利用日前に済ませておく(ワクチン接種証明書は写真を撮影してメールに添付してもらう)
- カットスタイルの希望も合わせてメールで事前に確認をする
- メールでの対応が難しいお客様には事前に来店いただき、書類を手渡しする
これらの方法なら、当日は事前登録内容の変更有無を確認するだけで済むので受付がスムーズに進むでしょう。また、サロンを利用する日から3日前までに記入済の書類を持参してもらうという方法も対応可能にすれば、メールでは難しいお客様のフォローができますね。
りん
年末年始になるとトリミングはもちろんのこと、ペットホテルでの来店も殺到し、受付の接客には相当な時間をとられてしまいます。ですので、メール(またはLINE)などを活用して、事前に受付業務を大幅短縮できる方法を取り入れましょう。
年末年始の失敗例①:ブロワーの購入を見送って大後悔!!
ほとんどのサロンに常備してあるブロワーやホースドライヤーは、トリミングの作業時間を各段にアップさせてくれる優れものですが、いざ購入するにはためらってしまう値段ですよね。
普段はスタンドドライヤーやハンドドライヤーで何とか乗り切れているからと、年末年始を前に購入を見送ったというお店も多いのではないでしょうか。
でも・・・年末年始に来店するのは、自宅でのシャンプーやトリミングが難しい犬がほとんどです。抜け毛や毛量が多い、サイズが大きく自宅では洗えないなど、トリマーにとって負担となる犬の来店も少なくありません。
こんな時・・・「ブロワーがあれば」と痛感することでしょう。
高額な製品ですが、必ずトリマーの負担軽減につながるので前向きに購入を考えてみましょう。
りん
年末年始の失敗例②:確認不足が招くカットの失敗でクレーム&切り直しに!
年末年始は何かとイレギュラーな出来事が多発します。中でも多いのはカットのオーダーの確認不足や誤解です。
「前回と同じで」「いつもの通りで」という曖昧なやり取りが原因で大きなトラブルに繋がることも少なくありません。
あるトリミングサロンではシーズーのカットでこんなトラブルがありました。
お客様
トリマー
上記は一見すると全く問題のないやり取りに思えますが、実はこのお客様が前回来店されたのは6月末でした。つまり、お客様カルテに残された履歴では全身2㎜のバリカンでサマーカットだったのです。
もちろん担当トリマーはオーダーの通りに2㎜のサマーカットに仕上げてしまいましたが、お迎えに来た飼い主様はびっくりです。「この寒い日にサマーカットにするとは非常識だ!」と大クレーム・・・。
りん
今後の年末年始を気持ちよく迎えるために、他のトリミングサロンやペットサロンで働いているトリマーの経験を参考に、自分たちが今後とるべき対策や参考にすべき方法をぜひ一度考える時間を作ってみましょう。