トリマーにとって毎日使うシャンプーは仕事のモチベーションにもつながる大切なアイテムです。
特に展示会や新商品案内、SNSの口コミなどでより良いシャンプーを見つけた時は自分が働いているお店でも使いたいと思いますよね。
しかし、この時気になるのはお客様の反応です。シャンプーはトリマーの独断で変えても良いのでしょうか?それともお客様にしっかり告知すべき?
りん
目次
シャンプーの切り替えは広告宣伝として活用しよう!
シャンプーの切り替えに関しては、一緒に働くトリマー同士はもちろんのこと、経費を管理する経営者の立場からも色々な意見が挙がります。
もしもシャンプーの切り替えを行なった時は、お客様にも別ブランドに切り替わったことをお知らせすべきです。
お客様はペットを抱っこしたり、一緒に寝たりと日常生活においてペットと至近距離で接するからこそ、些細な変化にも敏感です。あらかじめシャンプーが切り替わったことを知らされていれば、好意的に受け入れてくれるはずです。
先輩トリマー
トリミングサロンとお客様との間にはしっかりとした信頼関係が欠かせません。そのためにも「事前にわかっていること」や「トリマーが持っている情報」は積極的にお客様と共有をしましょう。
また、シャンプーを別ブランドに切り替えることを単に受付の合間に口頭で伝えるだけでなく・・・
- イベント
- ポスターやPOPでの告知
- サンプリング
- 割引キャンペーン
などお店の広告宣伝の一つとして盛り上げてみると、単調になりがちなサロンの雰囲気にインパクトを与えることができ効果的です。
お客様からネガティブな意見が出る前にトリマーからの情報発信を
お客様は行きつけのトリミングサロンを選ぶ際に、下記のことを気にしています。
- 前回と一緒という注文で意図が通じて欲しい
- いつ利用しても同じクオリティのサービスを受けたい
- 香りの良いシャンプーで洗って欲しい
などなど、ペットをシャンプードライする大変さを実感しているからこそ、いつでも、どんなペットでもスムーズに扱い、高品質なサービスを提供してくれるトリマーに飼い主さんは絶大な信頼を寄せてくれます。
この「いつも同じこと」に期待感や信頼感を抱いているお客様にとっては、急にシャンプーの香りが変わることは想像以上に大きな問題です。
中には
- 以前のシャンプーの香りが良かった
- 以前のシャンプーで洗って欲しい
- 新しいシャンプーの香りが苦手
などという意見を持たれる方もいます。
お客様からネガティブな意見が寄せられた時の対処法は?
お客様からネガティブな意見が寄せられると、トリマーの立場からどのように対応すべきか戸惑ってしまいます。
そんな時は「接客話法の基本」を活用すると良いでしょう。
- お客様の意見は否定せずにまずはすべてを聞き入れる
- 反論ではなく情報提供を心掛ける
- 今後の解決法を提案する
具体的には
「以前のシャンプーが良かった・・・」というお客様の意見には「そうですね、そのようなご意見もいただいております」とまずは受け入れます。
この時
「新しいシャンプーの方が~、成分が~」とお客様の意見を真っ向から否定したり、新しいシャンプーの良さを一方的に話し始めてはいけません。このような応対をされると、お客様は自分の意見を拒絶されたと感じ、トリミングサロンへ不快感を募らせてしまうからです。
以前のシャンプーへのお客様の感想や意見を聞いた上で、
「なぜシャンプーを切り替えたのか?」
「新しいシャンプーを選んだ理由は?」
「これまでのシャンプーとの違い?」
「ペットへのメリットは?」
などを丁寧にお伝えしましょう。
自分達トリマーがシャンプーを選ぶまでにどのような手順で考えたのかをお客様にも知ってもらうことで、きっと理解を得られ、共感してもらえるはずです。
りん
切り替えNGなお客様への準備もしておくと安心
香りの感じ方は人それぞれです。さらに人間より嗅覚の優れたペットの場合、香りへの反応はさらに多様になります。
シャンプーを変えたことで下記のような感想が寄せられる場合もあります。
- ペットがシャンプー後に地面や草むらに体をこすりつけてしまうようになった
- シャンプーの残り香が薄く、ペットの体臭が気になる
- ペットを抱き上げた時の香りが苦手、好きな香りでない
などなど、全てのお客様に満足いただけるシャンプーを用意することは不可能と理解し、このような意見に備えた対策を予め講じておくことも解決法の1つです。
具体的には
- 以前使用していたシャンプーも少量だけ在庫として用意しておく
- 希望者はシャンプーを選べるようにする
- シャンプーの持ち込みをOKとする
もちろんお客様ごとに個別の対応を行うことは、トリマーの業務が複雑になり、忙しい日は大変な作業にもなります。
お客様からの注文が多くなればなるほど、ミスも起こりやすくなるでしょう。
しかし、可能な限りお客様の要望に応えることも、トリミングサロンの経営には大切なことです。
これでは、せっかく良かれと思い取り組んだものの、結果は真逆になってしまいます。
使用中のシャンプーを店舗独自の営業戦略と捉えるトリミングサロンも
いかに高品質で満足のいくシャンプーを見つけるかはトリマーの経験や知識、技術に大きく影響されます。
中にはペットショップの店頭に並ばない無名なシャンプーでも、多くのベテラントリマーが愛用するシャンプーブランドもあります。
実はトリミングサロンの中には、あえて使用しているシャンプー名を公開しないというスタイルをとっているお店も存在します。また、オリジナルシャンプーを使い、市販品とは区別して、トリミングサロンだからこその特別な仕上がりを実感してもらうという方法をとっている場合も。
りん