頑張っているのになかなか思うような可愛いカットができない!など、カットに苦手意識をもっていたり、仕上げに自信が持てないトリマーさんも少なくないはず。
トリマーだからこその難題にぶつかった時、果たしてどう克服すればいいのでしょうか?
そのお悩み、実は簡単な克服法があります!
りん
目次
嫌いも苦手もあって当然!プロ意識を持つことが大事
プードルのカットが苦手、顔のカットだけが苦手、中には内股のカットが苦手という方もいるでしょう。トリマーの仕事ではハサミの技術だけでなく、犬との相性やトリミング室の環境などもカットの出来栄えに影響します。
いつでもどこでも、どの犬にも満足できる技術を提供することはそう簡単なことではありません。
「好きなこと」の対局には「嫌いなこと・苦手なこと」があって当然!
トリミングの仕事が好き、犬が好きという気持ちが強ければ強いほど、その真逆である苦手なこと、嫌いなことがあるのは当然のことです。決して苦手や嫌いという感情に自己嫌悪の感情を抱く必要はありません。
「自分の苦手」に自分自身で気付けたということは、成長や改善のチャンスがあるということでもあります。
カットが思い通りにできない理由はイメージ不足が原因
- カットが苦手
- 可愛いと思えるスタイルに仕上げられない
- 先輩に何度も手直しをお願いしてしまう
などなど、技術職だからこそのコンプレックスやネガティブな気持ちは、トリマーなら誰でも一度は感じたことがあるでしょう。
幾度となく頑張ってみてもまるで上達を実感できない時、先輩に何度も同じ箇所で叱られる日が続いた時、トリマーの仕事を辞めたいと思うこともあるかもしれません。
そのような時は、下記の順番で物事を整理してみてください。
- どんな時に満足や納得ができない、自信が持てないと感じるのか?
- 自分の目指す理想の仕上がりやカットスタイルとは?
- 先輩や同僚からどんな内容で指摘されるのか?
- 理想のカットスタイルと現時点で自分がカットしたスタイルの違いは?
カットが下手な原因は「写真のようにリアル」なイメージが無いから
なぜ思うようなカットに仕上げられないのか?どうして上達しないのか?
その理由は「イメージ不足」が原因です。
カットを始める前、自分の頭の中で「理想の仕上がり」がイメージできていますか?
先輩トリマー
目の前にいる犬の「カット後のスタイル」が写真のように頭の中でしっかりイメージできていますか?
先輩トリマー
仕上がりのイメージを頭で描けないまま作業に移る行為はゴールがどこかも分からない段階で全力疾走を始めるようなものです。ゴールが分からなければ進むべき方向も分かりません。いつまでも終わりの見えない全力疾走をしていれば当然その作業が嫌になり、苦手意識を持つようになります。
SNSやスマホをフル活用して苦手を克服
トリマーの専門学校にいたとき、授業でデッサンを学んだことを覚えていますか?
専門学校のデッサン授業では犬の骨格や筋肉の付き方を意識しながら基本のラインを描きつつ、カット後のイメージを書き加えていきます。
このデッサンの授業が得意だった方は、もともと物事をイメージで捉え、なおかつイメージした物を別の形で再現することが得意な方でしょう。だからといってデッサンが苦手、絵を描くことが嫌いという方がトリマーに向いていないかといえば決してそんなことはありません。
カット技術の上達に必要なことは「写真のようにリアルなイメージをすること」です。
学校で学ぶのはトリミングの基礎の基礎です
みなさんはトリマーの専門学校における生徒への指導法の一つ、デッサン授業の内容が数十年前からあまり変わっていないことをご存知ですか?これは、トリマーとしてカット技術を身に着けるためには、イメージをすること、デッサンで再現することが重要であると考えられているからです。
しかし、数十年前にはまだSNSどころかインターネットもスマホもありませんでした。当然、その場で手軽に写真や動画を撮ることができない時代です。つまり自力でデッサンする以外の方法が無かったのです。
でも今や時代も変わり、SNSにはたくさんの見本となる画像があり、動画でカットの仕方を公開してくれている有名トリマーさんも大勢います。
先輩トリマー
接客時もスマホや画像をフル活用!イメージの共有で失敗を減らそう
ベテラントリマーさんの中にはトリミングの受付時に手早くデッサンを描いて飼い主様に仕上がりイメージを説明できる方がいます。そんな光景を見ると尊敬する反面、自分には無理・・・とネガティブな気持ちを抱いてしまう方も少なくないでしょう。
しかし、お客様とのイメージ共有ならスマホやタブレットでも十分です。
あらかじめプードルやシーズー、シュナウザーなどのカットスタイルの写真をピックアップしておけば、飼い主様にすぐに提案することができます。
飼い主様が希望されるカットスタイルのイメージに合う画像を見つけ、次はその画像に近づくように意識しながらカットをすれば良いのです。
この方法ならばカットを始める前に自分の目指すべきゴールがハッキリ見えていますので、何も無いよりは安心できるのではないでしょうか?
りん
写真をトレース?苦手なデッサンも真似るだけで上達できる
「見本となる写真を見つけたからといって、簡単にカットが上達するわけないじゃん!」と思ったそこのあなた!
あなたにぜひ取り入れて欲しいイメトレ法が「トレース」です。方法は下記を参考にしてみてください。
- 「かわいい」「上手」と思った画像をプリントアウトする
- 写真の上にトレーシングペーパー(写し紙)を置き、上から鉛筆で写真をなぞる
- トレーシングペーパーを外した時、元の写真と同じ様なリアルな線が描かれていればOK
鉛筆で写真をなぞる際はどの程度の力を入れるのか?何度も失敗を繰り返すことがポイントです。どの線をなぞるのか?輪郭はどこか?強弱は?と考える手順はそのままカットに活かされます。
この方法を繰り返し練習していると、次第にどんな写真でも自在にカットで再現できるようになります。
ただ写真をなぞるだけでOKですから、デッサン力も才能も必要ありません。イメージすることが苦手な方はぜひ試してみてくださいね。
りん